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ひろ作

ひろ作

星2つ半が平均

芯のある優しいお味。評判の手打蕎麦も必食。店主の人柄と柔かな甘みや旨みが光ります

1983年創業、新橋駅烏森口から徒歩5分程度。裏路地にある優しいお味とお食事の手打蕎麦が評判の割烹料理店ひろ作。

夜は3万円以上する高級割烹料理店ですが、お昼は3000円でひろ作の色と誰もが美味しいというお蕎麦がいただける蕎麦コースがあります。
夜、昼共に営業は平日のみ、特にお昼はとても人気で日にち指定なしで2~3週間位先でないと予約が取れない程。
予約は毎月1日~で翌月まで受けていらっしゃるようなので希望日がある方はなるべく早めのお電話が良さそう。

店主は渡辺聡氏、19歳で赤坂の高級料亭に入りその後いくつかのお店で研鑚を積み32歳でこの地にお店をオープン。
現在はご夫婦お2人でお店を切り盛りされています。

ご主人は目元が優しくいつも笑みを絶やさない癒しを伝えてくれる方で、お料理について質問をすれば優しい口調で答えて下さいます。
女将さんは手際の良い粋な方、良い意味で対照的でご夫婦仲が良さそう。

ひろ作に来て感じることは、お2人を拝見しているとお料理でもてなすとは相手だけなくご自身も楽しむ心がなければ作られたものになってしまうということ。

人柄を偲ばせるお話としてあるのが、店名のひろ作からご主人のお名前が連想できません。
それは前経営者の店名を引き継いでいるから、現代の競争が全面にでている飲食業界では考えられない開豁な人柄です。

定番としてひろ作ではお食事がお蕎麦となり、これがとても高評価。
蕎麦粉は玄蕎麦粉と丸抜き蕎麦粉の2種類をブレンド。
普通の更科とはまた違う透き通る様な蕎麦に星を降らせる美しい細いフォルム。
驚くのはお蕎麦は独学と言う点。
1998年に洗練されたお蕎麦に出会い研究を重ね、ここでしかいただけないお味になりました。

ひろ作のお料理は心を映すというのがそのまま体現できるお味。
一言で言えば芯のある優しさ。
濃すぎず薄すぎず、角がなく素材からくる甘みをほんのり残し柔らかですが奥に一本通ったものある、着地点にずれがない円熟したお料理。
熟練業の重みを優しさで包み軽やかでひろ作でしかない世界を持っている名店です。

お店は純和風の一軒家、正直ここが高級割烹料理店とは思えないかもしれません。
お席はカウンター5席程度とテーブル1卓、お2階もあるようですが私は利用させていただいたことはありません。
店内も昭和を残す今ではあまり見ない割烹料理店スタイル、カウンター越しにご主人の手捌きを見つつフロアにはテレビもついている懐かしいお家に帰ってきたようなお店。
緊張することなく美味しいお料理が楽しめます。

平日お昼に訪問、今回は2回目。
遠方からのお客様やどこかのガイドブックに載っているのか外人さん率が高め。
お時間は12時からスタートで13時まで遅刻は厳禁です。

茶碗蒸し、いくらのせ

きのこのスープで出汁をとった茶碗蒸しの上にいくら、刻みオクラと菊を散らし最後に柚子を飛ばしたしたもの

茶碗蒸しの出汁はしっかり効いていて、きのこのお味がダイレクトというより上品に香り後から柔らかな甘さがでてきます
ジュレからも出汁と香り、いくらで塩気を出し柚子の香りが生きている優しいひろ作らしいお味

きぬかつぎ

つけるのは塩×白ごま
丁度良い柔かさ、シンプルにいただきます

山かけ

鮪の漬けの山かけ
大和芋は粘りが強くアクも少なめ、下に卵の半熟の黄身が入っていてコクを出していました
サービスランチなので予めセットされているもの、鮮度はお値段に比例しますがいただきやすいお味

揚げ物 雲子、むかご、銀杏、丸十

衣は薄く、さくさくと綺麗な音がする重さがないテイスト

つゆは温かく、ネギと七味が入っていてほんのり甘い天ぷらを引き締めます

雲子は鯛の白子
とろっと甘く、良いお味

むかごがとろけて甘く美味しさに驚き
他のお客様も「これは何ですか?」と言ってしまうほど

丸十はほくほくしていてそれなりの硬さがありました

甘鯛の飯蒸し

後から生姜を少量散らした、お皿はかなり熱めの飯蒸し

甘鯛はよくお味がでていて、しょっぱさはありません
ご飯はやや柔かでお酒は控えめ、円やかなお味で生姜がアクセントになっていました

お蕎麦

きらきら輝きのある艶やかさがある姿、かなり細いので湯に潜らすのは数十秒

細めでもコシは強く、喉越しが大変素晴らしいお蕎麦
更科系なので喉で楽しみ香りは強くありません

つゆは丁度良い濃度で醤油が効いていますが甘め、ただ甘いだけでなく鰹出汁の旨みが効いています
お蕎麦が強いお味ではないので相性良く、癖が無いのでもっといただきたくなるお蕎麦

見た目の通りの透明感のある美しい味わいに仕上がっていました

蕎麦湯

とろっとしていて蕎麦粉は適度に感じざらっとした感触が蕎麦の甘さ、美味しさの余韻を伝える蕎麦湯
こちらももっといただきたくなるお味です

焼き栗

軽くシロップ漬けした栗を女将さんが卓上火鉢で炭焼きしてくれます
加糖し過ぎず自然味溢れた栗でお食事は終了となりました

 

お昼の量は少なめ、お腹いっぱいという感じにはならないので朝ご飯をいただいた方でも無理なく完食できそう。
色彩、お味とも優しく自然体で受け入れられ、品があります。

過度に贅沢さに走らず、懐の深さがあり一定間隔で訪問したいお店の1つ。

ただこちらのお昼はサービスランチ、気に入ったお店なら夜か夜並のお食事をできる時に伺うのが礼儀です。
今回は少し女将さんとお話させていただくと、なんとこれ以外の上位コースがあることが判明。
主に接待で使われるそう、大々的にはやっていないのでお昼のリピーター様ならお願いしてみるといいかもしれません。
とても魅力的な内容でこれで少しはお店に気持ちのお返しができる!と思ったらこちらもかなりお得とのこと。
あまり貢献にはなりそうもないですが・・・近々上位コースで再訪させていただきます。

今回も心温まるお料理、もう少し近づきたいと思わせてくれるお店でした。

 

【2015/09】

茄子の煮浸し

茄子は歯応えを残しており、よくあるぐにゃっとした感触ではありません
生姜の量は丁度よく、つゆも優しい口当たりですが深みがあります

イクラの冷製茶碗蒸し

黄色く見えるのはコーン豆腐
運ばれる寸前にイクラが盛られ、すだちが降られます
ジュレかけの茶碗蒸しには、菊の花が散らされ、枝豆も隠れていました。
枝豆は豆の旨さがあり、ジュレは甘みがあり、コーン豆腐は自然の甘みがぎゅっと感じられ、イクラはぷちぷちが良く、この塩気で全体的に纏まっています

 

アズキハタとカワハギの肝和え

お造りは、左がアズキハタ、右がカワハギ
アズキハタは甘みがあり、脂がのっており濃厚、どこかむにゅっとした食感
カワハギは、アズキハタと食感より切れる感じで、レモンで締めてあります
軽い甘みがあり、アズキハタより若干癖があり
全体的に肝が旨みと甘みを上げて癖を和らげているよう、お上品なお味

煮おろし

タチウオ、海老、山伏茸、小芋の煮おろし
山伏茸は瑞々しく水気が残っており癖もなく、海老もぷりっとしており、里芋も柔らかくほっくり
タチウオは柔らかく溶けるような口当たりで少しにおいは感じましたが、脂がのっており後味も魚の旨みが続きました
味付けは優しく安らぎを感じるひと皿

鯛のご飯

餅米だそうです、開けた時にふんわりと香る素材の優しさ溢れる香りにうっとり
鯛の甘さと少しの焦げ目、ご飯も上品で美しさを感じます

お蕎麦

水物

無花果の柑橘ジュレかけ
無花果は新鮮そのもの、自然の甘さと美味しさが出ておりレモンジュレの甘酸っぱさが加わり清涼感が出ていました

DETAIL DATA

ico

アクセス、営業時間など

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