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ナベノイズム

ナベノイズム

星2つ半が平均

最中や人形焼きを使用したフレンチ×和の融合。ロブションの元総料理長が奏でる新しい世界

2016年オープン、浅草駅から7分程。隅田川沿いにあるガストロノミー ジョエル・ロブションの元料理長が腕を振るうフレンチ×和の融合店ナベノ-イズム。

シェフは渡辺雄一郎氏。
言わずと知れた超名門・三ツ星のガストロノミー ジョエル・ロブションでエグゼクティブシェフを勤めた大変有名な方。
タイユバン・ロブション時代から数えるとそのキャリアは21年にもなります。

ロブションから得た料理哲学は「複雑にして素材のお味を消さないこと」「愛情を持ち調理すること」。
その教えと圧倒的な経験を元に2016年7月7日、七夕の日にナベノ-イズムをオープン。

当店を一言で表すならフレンチと和の融合。
基本お皿には「融合」が見られ、「地域とレストランの融合」や「フランス伝統食材と江戸伝統食材の融合」等ナベノ-イズムは様々な世界とリンクしています。
中には少し驚く最中や人形焼きを使ったお料理まであり独特に思えるかもしれませんがどのお皿も癖が無く、クラシックフレンチよりライトなので皿数があってもいただきやすいのが特徴。
和の食材をベースにしてもフレンチの基礎が揺るがないので、お味がぼやけず双方いい着地地点に導く業は素晴らしいです。
そして和の美でもある繊細な美しさもお皿に散りばめ、流れる様にここにしかない世界を形成していきます。

以前から気になっていた当店、ランチ予約をしようとお電話したところなんと約2か月先まで満席。
ディナーは翌週でも空きがあるとのことで、今回はディナータイムで初訪問となりました。

お店は江戸通りを入った所にあり、白い外観にダウンライトが照らすナベノ-イズムロゴの下にはフランスの国旗、シンプルながら上品です。
店内は1階が厨房エリアとなっているようで、2階、3階がお席となります。

驚いたのは入るとすぐに渡辺氏が笑顔で出ていらして、階段まで上がってエスコートして下さったこと。
帰り際もお話もでき、シェフ自らお見送り、お土産のラスクをいただきました。
渡辺氏はとてもフレンドリー、「うちは店名から鍋屋と勘違いされまして」と面白エピソードも。
自然体で魅力的な方、退店時私はお腹いっぱいで眠くなってしまいあまり上手く感動が伝えられず残念でした・・・

フレンチでお1人様というのはお席的にも不利と思われがちですが当店はむしろそれが利点となります。
隅田川に面し、スカイツリーを眼前に収める絶好のカウンター席となるからです。
夕方~夜にかけて日が落ちていく情景、隅田川を行き交う屋形船、スカイツリーに色が灯るその瞬間を素敵なお料理と共に過ごせます。

ホールの方ももちろんサービスは良好。
最後は隅田川から浅草の夜景を一望できる屋上テラスに案内して下さるサプライズもありました。

お席に置かれているのは木製ベースにシーリングスタンプの様にエンボス加工で浮き上がる家紋「渡辺星」。
これを裏に返せば、お料理の始まりです。

ドリンクはソフトドリンクのロイヤルブルーティーにしました。

◆ロイヤルブルーティー

半発酵の凍頂烏龍で高級茶として今話題になっているもの
甘い香りが華やかに広がりますが、烏龍茶のさっぱりした飲み口にお料理にも合いやすいお味です

◆アミューズ

円上の器に氷を敷き詰め左側に冷やされたガスパチョ
<ブルーベリーとグリオットチェリーのガスパチョ>

そして、その器のフリンジに沿って円を描く様に配された3種の飾り皿の「和」の装いのアミューズ
<雷おこしとフランス産発酵バター
最中とクリームチーズ
オリーブオイルのマリネ>


ブルーベリーとグリオットチェリーのガスパチョ

季節毎に変化する一皿
ブルーベリーとグリオットチェリーの深いパープルのガスパチョ
リキュールの女王、シャルトリューズで香り付けしたもの
エストラゴンとライムのエキュームを乗せて
あります
持ち上げると縦に長いグラス状
主体がベリー系なので甘いドリンクにも通じるところがありますが、お料理としての部分も残したガスパチョ

雷おこしとフランス産発酵バター

大心堂雷おこしの上にフランス産発酵バター(シャラントポワトゥーバター)、アンチョビ、青唐辛子の酢漬けを乗せたもの
雷おこしにギミックは入れておらず、そのまま使用
チーズで濃厚さをアンチョビで複雑さと塩気を出しています

最中とクリームチーズ

種亀の最中の皮に桜の香りをつけたクリームチーズ、アーモンドと塩昆布を乗せたもの
サクサクの最中の皮、甘みのあるチーズに和の塩気として塩昆布が纏めます

グリーンオリーブのマリネ

グリーンオリーブは種をくり抜き、中にはオレンジの砂糖漬け
フルーティーでデセール系のお味です

序盤はは和食の色が強い印象、フレンチらしさが出てくるのは少し先となります

◆そばがき

技術的に仕上げるのが難しい一皿と言われている当店のスペシャリテ

両国江戸蕎麦ほそ川の蕎麦粉をお水やバターで滑らかなそばがきとしたもの
表面に見えるのは昆布のジュレ、その上に乗せられるのはフランス産のキャビア
金箔と山葵、芽葱をあしらって
手前のスプーンにはサワークリームに一滴ウォッカを垂らしてあります

もっちりした弾力性が豊かなのはそばがきですが、口当たりはざらつきがなく滑らか
えぐみはなくクリーム系の風味、キャビアから程よい塩気があり、ジュレからは昆布が香ります
フレンチと和の融合、ソフトですが他店では決して体験できないお皿です

◆蛍烏賊とパテ、山菜

富山県の蛍烏賊をローズマリーで香付けし、オリーブオイルにて低温オイルコンフィで仕上げたもの
隣のパテは蛍烏賊とエシャロット、香味野菜、スパイス、イカスミと塩辛を合わせた黒作りを隠し味に裏漉しにした蛍烏賊のパテ
上にケシの実、山椒、陳皮で香り付けをしています

奥は山菜で左から行者ニンニク、うるい、サラダ菜を一度ボイルし筒状にしたもの
ミモレットの下には東京うど
こごみとタラの芽

藁で燻した蛍烏賊はいただくことはありますが、それとは全く異なるフレンチの色
見た目は和食で見る蛍烏賊のスタイルですが、ローズマリーで彩る華やかさがありました

蛍烏賊のパテは、和の中にフレンチの繊細さが同居していて美味
黒作りの方向性は濃さではない奥深さとして出ていてさすがと思える仕上がり
山菜は食感を残したシャキシャキ感がありつけると相性良好でした

◆ブーダンブランと海老のクーリのココット

アルボワワインでアクセントをつけた濃厚な海老のクーリの中心にあるのはブーダンブラン
白いソーセージを意味し、中は帆立と海老のムース、豚足、細かく刻んだアミガサタケ
そこに素揚げしたグリーンアスパラ、アミガサタケが添えてあります

海老がグッと前に出てクリーミーでリッチな味わい、お味自体はしっかりめ
ここ辺りからフレンチらしい強さも出てきました

ブーダンブランは癖なく自然な味わいで、素材個々の火入れを細やかにコントロールしていてベースとしての安定感を感じます

◆フォアグラのV.C.C.焼き

V.C.C.とはバリオクッキングセンターの略称、最新鋭の「茹」「炒」「焼」「煮」「揚」「圧力」まで一台でこなす器具のこと
フォアグラに振り掛けられているのはバッハコーヒーの粗挽きコーヒーエスプレッソ
その上にはマリネのアプリコット、針生姜、ミントの葉を散らし、エキュームもミント、フィユタージュを乗せて
オレンジ、はちみつ、コアントローを煮詰めたソースを添えてあります
フォアグラの下に敷かれているのは、コアントローとシナモンの香りを忍ばせた浅草寺前本家木村屋の人形焼

お皿のフリンジから伝わるのはラスエルハヌート、全体をスパイシーな香りで包みます

V.C.C.で焼かれたフォアグラは均一にコントロールされた機器らしさがあります
綺麗とも言えますが、良い意味での人の手で行う”歪さ”はありません
膨らむように焼き上がり中はふわふわ、一定感のある口当たり
フォアグラからはさらりとコーヒーの香り、アプリコットとの相性は良好
ソースもフルーティーなのでスイーツの様に、重々しくなくいただけます

◆ポワソン 桜鯛とグリンピースソース

愛知の桜鯛、皮目を剥ぎパルメザンチーズ、とさか(海藻)を合わせグラチネにしたもの
スープは白ワインをベースにしたグリンピース、下にはバベッテ(フィットチーネより多少太いパスタ)が敷かれています

パルメザンチーズ、とさかのグラチネは芳ばしいグラタン風味、桜鯛はふわっとした焼き
バベッテは太さもあるのでもちもち感が楽しめ、スープにはグリンピースがたくさん入っていました
お味はしっかりしていますが、単に濃い訳ではない強さもある仕上がり

◆ヴィアンド 国産牛フィレ肉をのV.C.C.焼き コンソメアンフージョンに浮かべて

こちらはオーストラリア産仔羊 桜の香りとの選択になりホールの女性にお話を伺ってこちらのお皿に
花山椒、菜の花、筍と筍のニョッキ、空豆を添え、国産牛フィレ肉は備長炭のV.C.C.焼き、その下には亀種最中の皮を敷いてあります
お皿のフリンジに置かれたのは山椒のオイルパウダー
サーブ時に牛スネのコンソメにアミガサタケ合わせたコンソメスープをかけていただきます

コンソメスープは香り高く、サーブされてきた時から存在感を放ちます
真っすぐ伝えてくるお味に山椒のオイルパウダーや花山椒を合わせ華やかなお味に
花山椒は然程ピリッとはきませんでしたが、バランス的にはこれくらいがよさそう
柔かな国産牛フィレ肉は柚子胡椒と生姜を隠し味程度に塗っているらしく、こちらも香りの幅を広げてくれました
和を感じるヴィアンドです

◆デセール 一皿目

せとかとマーマレード、ミントジュレ、ヨーグルトとチーズを合わせたフロマージュブラン
別装でシュクルペティアン(パチパチ跳ねる飴のこと)がついてきます

シュクルペティアンを振りかけるとパチパチ踊るような音を奏で始めます
フロマージュブランはさらりとしていて、せとかとマーマレードはフレッシュ
甘さはありますが、シュクルペティアンがしめてくれました

◆デセール 二皿目

ガトー・マルジョレーヌ
奥はショコラビスキュイにプラリネ、アーモンド風味の泡立てたクリームをサンドしたもの
お皿の回りにあるソースはショコラ×コニャック、右は和紅茶のアイス、白いのは珈琲風味のブランマンジェです

和紅茶のアイスはさらっとしていて、ブランマンジェは小さくても風味豊か
マルジョレーヌのクリームは無糖とアーモンド風味、下層が濃厚なガトーショコラの様なテイストでしっかりめ

◆デセール 三皿目

かりんとう×ショコラヌガー
胡麻のマカロン
豆を中心に据えたフィナンシェ

胡麻のマカロンのフィリングはショコラ、上に七味がかけてあり印象的でした


個性が光るお料理でもくどくない、革新的と言えるのかもしれませんが尖ってはいない、邪道と思わせないのは渡辺氏のキャリアとセンスからくるものなのかもしれません。
今回のお会計は2.6程、ここまで新しいお皿に出会えたなら決して高くはありません。
ちなみにショートカットはありますが、ランチはなんと1万円、お席が取れなくて当然です。
今度こそシェフに感動を伝えられるようにまた是非再訪したいお店。
和の中に確かなフレンチが息づくナベノ-イズムのフレンチでした。

 

DETAIL DATA

ico

アクセス、営業時間など

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