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草喰 なかひがし

草喰 なかひがし

星2つ半が平均

素材を愛しみ、感謝の気持ちが芽生える懐石料理

ミシュラン二つ星。
京都で最も予約がとれないお店として知られ、毎月1日の朝8時から翌月の予約を受け付ける「1日組」。
朝からかけ続けるも繋がったのが10:30頃。

草喰の名の通り、ご主人の中東さんが自ら野や山、畑で採取した山菜、てんかや間引きされた食材も使い、彼の手に掛かればそれが他では経験できない究極の一皿へと昇華します。

素材のえぐみ、苦味を隠さず自然を頂くことが出来、神髄にたどり着くお料理が特徴。

2階席もありますが、今回は1階のカウンターで頂きました。
中東さんともお話でき大変いいお席。
場所は銀閣寺の方から来るとポジション的に少しわかりにくいかもしれません。
出町柳方面から来るとお店の看板が良く見えます。

接客は柔らか、細かい気配りが感じられ一見様にもオープン。

お料理は自然の良さを出したものですが、盛り付けは魅せる美しさがあります。
それが嫌味ではなく、ナチュラルながらもディテールさを覗かせ京都を感じます。

【2016/03】

再訪問なので先行で4ヵ月前から予約が可能になったので1日組の厳しさは感じず希望日に取れました。
思っていたより桜が早く開花したので銀閣寺エリアも桜で桃色でした。

八寸

いつもながら圧巻の凝ったお料理。

蛤の中には、蛤ご飯に生のつくし、乾燥したキンカンを添えたもの

リゾットの様、蛤のエキスがしっかり出ていて良いです。

敷かれているのは山葵菜

椿に見立てたのは赤蕪の酢漬け、中には干し柿と柚子の皮を混ぜ炒り卵を散らしりゅうひ昆布で巻いてあります。

お味のバランスが取れていて見た目も美しい一品。

炊いた飯蛸は甘めで歯応えがあり、菜の花は炒り焼きに香ばしくて美味しい。

土に見立てたのはこんにゃくいも、とちもちをあられとした振り掛けています。
こちらも美味しい
緑がカンゾウ、雪ノ下は素揚げ。

北山の猪に鶏皮ごぼう
こちらはお味はしっかりしていて、山葵菜と一緒にいただいたらよく合いました。

ふきのとうの白和え

豆腐と椎茸とこんにゃく、上にふきのとう、花の素揚げが添えてあります。
香りが良く豆腐の円み、ふきのとうの適度な苦味、優しいお味で美味しいです。

 

椀物

白味噌にとちもち、赤、白の蕪に菜の花、からしを溶いていただきます。
とちもちが香ばしく、甘く深く、思ったよりも強いお味。
これくらいの量で充分と思える程しっかりしたお味でした。

イワナ

各部位に分けて焼いたもの、それぞれの食感が楽しめます。
前方に添えてあるのは一口こがね、後ろには芽キャベツを焼いてゆかりを散らしたもの、鶏皮ごぼうは抹茶を振りかけてあります。
頭の部分は香ばしく、中骨はお菓子の様、身はふっくらたんぱくながら旨みがあり、一口こがねはかなりフルーティーで華を添えます。

お造り・鯉

なかひがしと言えば外せない鯉、三ヵ月かけて臭みを抜いた鯉は秀逸。
添えられるのは、辛味大根、なずなに山うど、ノビル、ノビルの球根、赤リアスからし菜、春大根の間引き菜、沢わさび、下に敷かれているのは酸葉(スイバ)、鯉骨の煮凝り、鯉の皮湯引き、散らしてあるのは鱗素揚げ。
醤油をかけて混ぜていただきます。
こちらの鯉は臭みがいっさいなく清らかなお味、残雪に見立てた辛味大根は辛いですがよくあっています。
鱗の素揚げは甘みもあり美味しいです。

炊き合わせ

筍と蓮根擦り下ろして揚げたもの蓋に乗せられているのは一年間乾燥させた山椒、かけていただきます。
筍の甘みは素晴らしく、山椒の香りもよくすっきりとした透明感のある出汁が光ります。

焼き物

琵琶湖のホンモロコ、添えられるのは白菜の菜の花、あやめ雪かぶに摘果みかんのコンフィチュールをかけたもの
たれを何度も丁寧につけて焼き、最後にたれをかけます。
たれも良く合っていて、ホンモロコは大きく膨れる程の子持ちで身も凝縮した旨みがあり絶品。
これは癖になる美味しさです。

おひたし

のらぼう菜と原木椎茸、平湯葉
こちらはすっきり、あっさり優しい一皿。

お食事

琵琶湖タテボシガイ、犬芥子(イヌガラシ)を添えたもの
癖なくさっぱりいただけます。

ブロッコリーと人参、下には鹿肉、赤味噌と赤ワイン、野菜の出汁をとって鹿シチューにしたもの
こちらは濃厚さもあり出汁がしっかりしていて印象に残るお味。
味噌が良く合っていてなかひがしらしい、ここでしか味わえない一品、とても美味しいです。

そしていつものめざしとなります。

今回もパリ(おこげ)→ニューヨーク(お茶漬け)までいただきました。

甘味

甘酒と朝採れのいちご
加糖されていない甘酒で甘みがあり濃厚。
蓋に添えられているのは松葉に大徳寺納豆で甘酒の後にいただくとすっきりします。

 

今回も趣向を凝らしたメニューで貴重な経験をさせていただきました。
独特ななかひがしの世界、また伺いたいです。

 

【2015/09】

八寸

ほうずきの中には、卵の味噌漬けを銀杏でサンドしたもの

銀杏は甘く、卵のお味がしっかり感じられお酒の香り。

鮎のテリーヌと大根
鮎のテリーヌはねっとりしており、大根の辛さとよく合います。

秋刀魚に胡桃を挟んで
燻した秋刀魚の香りが鼻腔をくすぐります。
すぐに燻製されたお味と分かり、香ばしさがあり美味しいです。

とうもろこしの寒天
大変甘く、口溶けよくデザートの様なお味、素材の良さを感じられこちらも大変美味しいです。

白無花果と枝豆、花穂紫蘇
白無花果の自然の甘さ、紫蘇の香りは強いですがきな粉風味がお味を丸くしています。

花オクラ
花オクラの中にはおくらがが入っていました。
花オクラはフルーティーは食べやすく粘り気があるおくらも美味しいです。

小芋
皮付きで頂きます、多少の皮のえぐみがありありのままの美味しさを頂けました。

モロヘイヤと豆腐とみずと菊の花

モロヘイヤの粘り気とライトなえぐみ、みず(山菜)と豆腐はドライタイプ。
上品かつ素朴で味付け自体は薄め。

椀物

白味噌と赤味噌を混ぜ、茗荷と茄子の椀物。
焼き茄子になっており、炭火の香ばしさと甘く蕩ける口当たり。
茗荷もいいアクセントになっています。
白味噌と赤味噌が交わることにより深みが出て美味しい。

鮎の炭焼き

パリッとしていて炭の香りがし香ばしく頭から骨、全て頂けます。
骨は当たらず、身は柔らかくと絶妙な火入れ。
香ばしさと鮎の旨さが味わえます。
摘果(てきか)みかんを絞って頂きます、さほど酸っぱくもなくフルーティーで美味しい。
万願寺唐辛子にはトマト詰めになっておりイタリアンの様なお味で他と違いがあり良かったです。

お造り

鯉、ゴーヤ、みょうがの花、四角豆、キクラゲ、ささげ豆、ナスタチューム、白く見えるのは鯉の皮、煮こごり、白い塊は夏大根のシャーベット、茶色く見える泡は醤油のムースともかく色々な種類がこれでもかと乗っておりそれを全て混ぜて頂きます。
井戸水で3ヶ月泳がせたという鯉は全く臭みはなく淡白な白身のお味、皮は歯応えあり。
今まで頂いた鯉の中でダントツに美味しいです。
大根は夏大根なので辛め、香薬の香りも強いですが一緒にいただくとバランスがとれています。
基本的に辛いものを調理して隠そうとすることはなく他の食材と合わせて相殺させお味を昇華するテイストは他ではなかなかないです。

煮えばな

なかひがしの名物。
煮えばなとはお米からご飯に変わる瞬間。
大将曰く「お米のアルデンテ」
刻々とお味が変化するので、早く頂くように言われます。
甘く水分たっぷり歯応えがあり大変美味しいです。

レンコン、芋茎、山科茄子、モミタケ、間引き大根

モミタケ
モミ林に生息し、松茸もどきと言われますが特に香りはない巨大なキノコ。

レンコンの穴には小豆が入っています。

山科茄子
京都の山科で採れる茄子。
日持ちがしなく変色もしやすいですが、採りたては独特のお味があり柔らかでレベルが高いと言われています。

茄子は噛むとじゅわっと薄めの出汁が溢れ出し、それぞれ特色があります。
レンコンは絶妙な歯応え、モミタケは香りがしっかりしておりそれぞれお味が際立っていますが最後は一つの所に落ち着き全体的には懐かしさを感じるお味。

鴨肉

フランスから取り寄せた鴨肉。
中は少しレア系になっており炭火の香ばしさと絶妙な火加減、柔らかく筋っぽい箇所は皆無、甘さも強く大変美味しいです。
素材も良く、焼き方もいいとなると最強。
手前に見える摘果みかんのソース、こちらが自然の甘さと果肉感があり大変美味しいです。
大根は辛めですが、逆に辛いからこそバランスが取れお味を締めます。

摘果みかんとは、間引きされたみかんのこと。
質を保つために未熟な時に摘果された果実がこんなにもいいソースになるとは驚き。
自然に感謝の心を再確認しました。

糸瓜(ヘチマ)の酢の物

糸瓜とオクラ、茗荷が入っています。
茗荷の香りと糸瓜の歯応え、癖もなくオクラの粘り気も交わり素朴、美味しいです。

松茸ご飯

こちらはオプションになります。
ご飯の上にはカラスミ、中には松茸がふんだんに入っています。
松茸の香りがたまりません。

カラスミを齧りながらご飯を頂きます。
ご飯は甘くてジューシー、ふっくら、ただ柔らかいだけではなくとても美味しく、そこにすだちの香りと馥郁たる松茸の香りで包まれます。
多少のお塩、カラスミも香ばしく美味しい。
松茸は言う事ありません、質のいい松茸は香り、歯応え自然の美味しさ、スタンダードながら最高です。

お食事

白米とめざし
名物のめざし、苦味、カリッと歯応え白米と一緒に頂きます。
最近では見向きもされないめざしとご飯の組み合わせ、こんなに美味しかったんだと気付きました。
なかひがしのランチだからかもしれませんが・・・

唐辛子とちりめんじゃこ
ピリッと締まってささげ豆の胡麻和えと違いがありいいです。

ささげ豆の胡麻和え
こちらは甘め、優しいお味。

次はパリ(おこげ)ご飯。
オイルとお塩で頂きます。
パリッとした歯応え、もちろん美味です。

こちらも名物ニューヨーク
大根とゆかり、大葉、梅、焦げ目がついたご飯のお茶漬け。
もちろんべちゃべちゃした様な一般的なお茶漬けではありません。
こちらも是非頂いて欲しいです。

水物

みかんのゼリー、左上に乗っているのはバジル豆腐とバルサミコ酢。
みかん自体はさっぱりしているので、そこにバジル豆腐とバルサミコ酢が合わさり濃厚さが加わり大変美味しく、ほうずきトマトも癖なく美味しいです。

全体的に原点に帰る、そんなお料理。
量もあり、ご飯もニューヨークまで頂くためにも是非お腹を空かせて行って頂きたいです。
味が濃いと仰る方もいらっしゃいますが、私的には素材のえぐみや強さを隠していないので「強さ」を感じました。
素材は京らしいものもありますが、お味は「なかひがしの自然のお味」。
一つの世界が出来上がっています。
中東さんとのお話も楽しく、食材のお話も大変楽しい。
体によく、美味しいだけでなく、勉強にもなる、なかひがしにしか出せない世界があります。
リピーターになると5ヶ月前から予約も可能。
初回の予約を取るのは大変ですが、命を感じるお料理に触れて頂きたいです。

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