野田岩
星2つ半が平均
東の尾花、西の野田岩。上品に洗練された鰻を静かにいただく
創業は寛政、つまり1800年頃、東の尾花、西の野田岩と言われる鰻料理店の地位を確立している老舗の名店野田岩。
一、二代目の反映期、三代目の衰退期を乗り越え、現在五代目で天然鰻の入手が困難となり一時店を閉め、その後養殖導入として再開、百貨店への進出、海外店オープンと、大転換を行い活気を取り戻しました。
秘伝のタレを用い備長炭で焼く鰻は格別。
平日のオープン11時過ぎ、暖簾をくぐると和服姿の女性スタッフが迎えてくれます。
ホールは女性のみ、実年~若いスタッフまでバランスがとれており落ち着いています。
歴史を感じる建物、一階はテーブル席で席数は少なめ、お客様はけっこういらっしゃいます。
11時30分からは混み始め、二階のお座敷、俗に言う「別館」に通されていました。
雰囲気は重厚感、やや暗めの店内、静かであり活気を主とする尾花とは対象的、スタッフの対応も柔らかく下町接客ではありません。
最初は日本茶、お通しが終わるとほうじ茶に変わります。
【鰻三楽コース】
内容は、鰻の煮こごり、志ら焼、鰻重、香の物、肝吸い。
スペシャリテの煮こごり、志ら焼の両方を頂ける野田岩を堪能出来るコースです。
鰻の煮こごり
程なくしてサーブされました。
中心に鰻、上下がゼリーとなっています。
頂くと、ゼリーは爽快感の後にすっと溶けます。
鰻も同じ様に柔らかく歯要らず、甘くコクがあり味付けが丁度よく大変美味しい。
小さいですが、世界観はばっちり伝わる逸品。
単品でもオーダー出来650円程なので是非頂いて欲しいお通しです。
志ら焼
こちらでは白焼きを志ら焼と言うよう、器からけっこう温かく、期待できます。
わさびは直接つけ、お醤油かお塩で頂きます。
蓋を開けてみると、立ち込める湯気、ふわっとした想像より大きめの鰻が姿を現します。
かなり柔らかく箸で崩れる程、頂くとふわっと溶けるのは尾花と一緒。
甘く、脂が乗っていて素直なお味が楽しめ大変美味しい鰻。
わさびの辛さは、弱めで沢山つけても鰻の旨さを損なわないように出来ています。
それなりに量があり贅沢な一品、野田岩の力を感じ満足。
鰻重
香の物、箸休め(大根おろし)、肝吸いがついてきます。
鰻重の蓋を開けると湯気とと共に黄金色のふっくら鰻と対面。
お味はふわふわ、とろとろ、脂も乗っていて大変美味しい、歯要らずで蕩け、どんどん頂けます。
お味は尾花と比べると少し控えめで、イメージ的には尾花の方が強く一歩出るような旨さ、野田岩は少し引いたとこを残す上品な旨さ。
ご飯はほろっとしていて、尾花より少し固め。
甘めのタレは鰻と絡みサポート役、自然な旨さが広がります。
香の物のお味は浅漬け、大根おろしは辛くなく癖はありません。
量もあり満足です。
鰻のふわっと感は私的には尾花、ご飯も尾花の方が柔らかいです。
ただ、尾花の方がお味が濃いめ、全体的に大胆で豪快、鰻を食べた感がある日常生活に溶け込む下町の鰻屋。
対して野田岩は奥ゆかしさを感じさせる洗練されたお味です。
肝吸いはさっぱり、これは肝の形から見ても尾花の方が上かと思います。
尾花との比較でメニューの広がりは野田岩、お値段もお得。
野田岩は、お茶は湯呑みごと取替えてくれ、接客は丁寧、お友達を誘っていくなら野田岩に軍配。
ただ、私的にはお味で大胆で、力強さを感じる尾花の印象の方が強かったです。
予約は受付けず、他の面では野田岩には劣りますし、お味の差は好みの範疇かと思います。
どちらとも素晴らしい鰻屋であることは間違いありません。
安心して人にオススメできる名店です
DETAIL DATA
アクセス、営業時間など
- 【店舗名】
- 野田岩
- 【住所】
- 東京都港区東麻布1-5-4
- 【営業時間】
- 11:00~13:30 ┃17:00~20:00
- 【定休日】
- 日 不定休