ショートケーキの有名店。お酒入りルージュは香付け程度、綺麗なお味で重くありません

1986年オープン、巣鴨駅南口から4分程。日本一のショートケーキと称された名店​フレンチパウンドハウス。

お店の場所は多くの方がすぐ思い浮かべるとげぬき地蔵の巣鴨商店街の逆方面、閑静な住宅街。
実は巣鴨は高評価なパティスリーが点在しているエリアでもあります。

オーナーパティシエは江口潤一郎氏。
実年のご年齢になった現在も代表として第一線で研究、活躍されています。
また「日本一のショートケーキ」の立役者として知られているのは菅原召二氏。
現在は所沢のパティスリータルトレットのオーナーシェフに就任されています。

スペシャリテは2種類のショートケーキ、ブランとルージュ。
ブランはリキュール不使用でスタンダードながらも高い完成度、ルージュは苺のお酒とキルシュ香る大人向け。
シーズナルメニューとなりますが、好評なのがメロンのショートケーキ。

店舗は恵比寿本店とときわ台の二店舗。
両店共にブランとルージュ、メロンのショートケーキがいただけます。

ショートケーキ ルージュをいただくため、休日の15時過ぎに訪問。
お店はレンガ造りのフランス系で所々に緑を置き、スカイブルー×白のストライプのオーニング、テラス席もありかなり目立つ外観。
時を経て馴染んだ木製のドアを開けると正面にショーケース、左側がカフェエリア。
店内は明るく、木が基調の暖色系で新しさがあるインテリアではありませんが落ち着く配色で年齢層を選びません。
ショーケースにケーキは20種類程あり、アントルメ、要冷蔵の焼き菓子も有。
アイスクリームや常温用の焼き菓子もありました。

次々と来店があり、店内は列ができていてカフェエリアは満席。
テイクアウトのお客様も多く、ケーキ以外にもギフト用焼き菓子も人気で訪問時何人もの方々がご購入されていました。

カフェエリアは売り場面積とほぼ変わらない程度の広さ。
お席は15卓程あり、ドレープカーテンの優雅さとあまり見かけない鮮やかなブルーのテーブルクロスが特徴の可愛らしさもある雰囲気です。

10分程度待ちお席へ。
お客様の年齢層は広く、若い方～ご家族連れまで。
最近のパティスリーはやや静かにいただくところが増えていますが、正直かなりざわつきがありました。

接客スタッフの年齢層も幅広く、10代～40代くらいまでの女性。
大人しめですが感じよくナチュラルな人が多かったです。

オーダーしたケーキはショートケーキ ルージュ、ディジョン、ドリンクは水出しアイスコーヒーにしました。

水出しアイスコーヒー

​苦味とコクがありすっきりした味わい
水出しコーヒーの特徴として酸味は引き出されていません
ケーキは良くてもドリンクは薄いところもありますがこちらはそれはなく良質
爽快感があり飲みやすく、ケーキと相性良かったです

ショートケーキ ルージュ

先に概括しますとお酒を使用したショートケーキという触れ込みではありますが量は香り付け程度の隠し味ポジション
リキュールを使用することにより深みがあってもすっきりした後味に仕上げています
よってイデミスギノ系の様なお酒の味がするケーキではありません

見た目はジェノワーズとクレームシャンティが層を成し、上にいちごが乗ったスタンダードなフォルム

ケーキ皿はウェッジウッド、冷たくなってサーブされました

構成はジェノワーズ3層、各層には苺のペーストが薄く敷かれ、苺が入ったクレームシャンティ2層、苺が3つ
苺は拘りぬいたという印象はありませんがフレッシュ
ジェノワーズには小麦粉と米粉を使用
クレームシャンティは苺の果汁を入れたメレンゲを合わせ、苺のお酒とキルシュを加えています
よってブランと比べるとカラーがやや色付いて見えますが、然程特徴めいては見えません

クレームシャンティはふわふわですっと溶けて、軽い口当たりで重くはありません
ミルクの香りがしてお酒っぽさは特にありませんが、中層になりますと苺と相性が良くキルシュの香りがやや頭角を現し深みもでてきます
甘みはあってもリキュールで後引きが早く、かと言ってお酒独特のにおいはほぼ感じなかったのでお酒入りが苦手な方でもいただけそう
ジェノワーズの中層はクリームと苺でしっとりしていますが、基本米粉に見られるもっちりしっとり系ではありません

軸はショートケーキからぶれてはいないので過度に再構築はされてなく、ワンランク上の綺麗な味わい
大人の為のお洒落に作られたショートケーキ
ショートケーキ＝お子様向けイメージから一歩先にある、ありそうでないお味でした

ディジョン

酸味を効かせたムースということでオーダー
こちらもリキュールを使用してるとのことですが、ルージュよりもっと少なくお味として感じることはありませんでした
感覚的にアルコール成分が入っています、程度の量かと思います

構成は上にダックワーズ、グレープフルーツ、カシス、セルフィーユ
カシスムースにフィリングは果肉入りグレープフルーツゼリー、ベースのビスキュイはショコラ系

上に乗ったダックワーズは時間が経っているのでふにゃっとしています
カシスのムースはじゅわっと口溶け良好、酸味が効いていますが後からクリームのコクがでてくるので一辺倒なお味ではありません
フィリングのグレープフルーツも酸味があるので、全体的に甘みはかなり控えてある印象
ビスキュイはショコラ系の様ですがかなり少量でココアのみかもと思える程カラーはあってもその風味は薄いです

構成通り甘いのが苦手な方向けの後味もさっぱりムースでした

 

現在は昔のレシピを継承し作っているようなので、日本一と謳われた時のお味とやや異なると言う方もいらっしゃいます。
風味を前面に押し出してくるタイプではなく、よってそこまで濃厚ではありません。
最近のケーキは強いお味が多い中、一歩引いた日本らしさも感じるパティスリー。

特にショートケーキはヘビーな印象をもたれやすいですがいただきやすかったです。
立地もあるかもしれませんが、幅広い年齢層が抵抗なくいただけるケーキでした。