えびそば 一幻
星2つ半が平均
超濃厚な海老の旨みをぎゅっと閉じ込めた情熱の味
2013年オープン、西新宿駅から5分程。ダイレクトに海老の旨みを伝える「えびそば」1本で海外進出まで果たした一幻。
始まりは2009年札幌すすきの。
その後2013年に関東初進出、2016年に海外進出をし、お店は現在北海道に2店舗、新宿に1店舗、上海に1店舗となります。
総店長は林直樹氏。
創業時の厳しい時期を耐え、ぶれずに原点を守りお店を成長させてきました。
海老への拘りは大変深く、まずベーススープは甘海老を殻だけでなく頭ごと15キロを3時間にも渡って煮込み、海老味噌まで余すところなく出汁をとります。
そこからスープは、
1.低温で香味を纏った海老油と豚の背脂をブレンドした「そのまま」
2.豚骨白湯スープをブレンドした「あじわい」
3.豚骨スープをブレンドした「ほどほど」
の3種類に分岐。
そして揚げ玉は海老のペースト、スープに海老粉を添えれば正に海老尽くしのそばが出来上がります。
今回は拘りのえびそばをいただきに新宿店に平日の20時頃初訪問。
場所は西新宿の裏路地にありマップがないと分かりにくいかもしれません。
お店は紅い日除け暖簾に白文字でえびそばと書かれコントラストで外観自体は目立ちます。
店内は縦に長い構造ですが、圧迫感はなく木のぬくもりを感じさせる造り。
この時のウェイティングは8人程、待ちは店内になるので悪天候時にも安心。
店内の壁にはところ狭しと有名人の色紙が飾られ、知名度の高さを覗かせます。
メニューは好みのお味を選ぶタイプで、味として「えびしお」、「えびみそ」、「えびしょうゆ」から選び、更に先程のスープ「そのまま」、「あじわい」、「ほどほど」から選び、最後に「極太麵」か「細麺」を決めます。
ストレートに海老を味わえるのは「えびしお」の様でお店が一番に紹介していますが、人気は「えびみそ」の様。
麺は旨みが絡む「極太麵」か喉越しが良い「細麺」で「極太麵」が人気です。
お店は食券方式、購入して待っている間にスタッフに渡します。
その時に女性には心遣いで紙エプロンの使用の有無を聞かれるのですが、意外にスープが飛ぶので聞かれたら受け取るのがおすすめ。
スタッフは男性3人。
忙しいのでそれぞれのお客様に合わせた細かい対応は出来ませんが元気がよく明るく、写真撮影にも笑顔で答えてくれます。
女性1人にも親切なので気兼ねなく訪問できるお店です。
オーダーは「えびみそ」、「そのまま」、「極太麵」。
順番が回ってきてお席につくと予めオーダーを渡しているので時間はかかりません。
間もなくして手書き和文フォントで豪快に「えびそば」と書かれた特徴的な赤い器でサーブされました。
そのまま えびみそ 極太麺
DETAIL DATA
アクセス、営業時間など
- 【店舗名】
- えびそば 一幻 新宿店
- 【住所】
- 東京都新宿区西新宿7-8-2
- 【営業時間】
- 11:00~23:00
- 【定休日】
- 水
紅い器から立ち上るのは湯気より海老の香り
そう思える程にサーブされた時から存在感のある芳ばしさです
具材はチャーシュー、万能ねぎ、天かす(赤いフレーク)、チャーシュー、味玉、エビ粉(黒い粉)
各所に海老の素材を散りばめ様々なアプローチでその強さを演出します
麺はえびそばの特色を考え造りだした特注
ストレート太麵で海老の旨みがよく絡み、もちもちしていて食感と共に楽しめます
スープは迫りくるような海老の旨みが前面に出たお味
少しざらつきがあるスープ、最初は海老をそのままいただいているのではないかと勘違いしそうな匂い
頭ごと煮ているので凝縮感、濃厚さが際立っています
豚の背脂も入っていますが、香味として海老油を使用しているのでセンターは海老
豚はお味が一辺倒にならないように海老出汁に複雑性を持たせバックアップするポジションです
そこに味噌が交わり、海老味噌という確立された美味しさがあるスープとなっていました
フリンジに少し黒い粉が乗せられているのですが、これが海老粉
スープの出汁を取るために使った海老の頭を焦がし炒って細粒状にしたもの
こちらのお味はとても強く、スープの存在感も強いですがそれ以上に驚く濃さをしていました
天かすは海老の風味を練り込み、カラーは紅生姜で出しています
カリッとサクッとしていて、甘みがありスープと麺に合わせれば甘い味わいに
味玉はとろとろ半熟です
チャーシューは醤油ダレに漬け込んだもので、ワイルドで肉の風味が強め
ただ、こう感じるのは他のパーツが海老一色だからかもしれません
海老油の閉じ込めが効いているのか冷めることもなく最後まで熱々で楽しめました
スープの突き抜ける真っすぐな風味は潔く、余香も強く「海老をいただいた」感があります。
開店当初は苦境に立たされた時もあったそう。
それでも流行に流されず甘海老に賭け、想いを貫き人気店となった情熱の味。
心意気と共に揺らぐことないメッセージ性、お食事を通していただく信念が生きるえびそば専門店一幻でした。