みかわ是山居

星2つ半が平均
巨匠・早乙女氏の天ぷらは蒸す×焼く。脱水作業に長け、旨みの水分だけを残します
2009年オープン、門前仲町駅から葛西橋通り方面へ住宅地の一角にあるアーティスティックな建物が目を引くみかわ是山居。
テレビでも拝見することもある言わずと知れた当代屈指の天ぷら職人、生きる伝説とまで言われる早乙女哲哉氏が自ら揚げてくれる天ぷらが楽しめるのが当店です。
15歳から休むことなく修行に励み2009年にこの地にオープン、2011年にミシュラン獲得。
古希を迎えた今も毎日カウンターに立たれ、「天ぷらを科学する」の言葉が有名で魚の脱水に長け、蒸すと焼く両方のアプローチで究極の天ぷらを作り出しています。
よってお弟子さんは数人いらっしゃいますが揚げるのは早乙女さんのみ、行ってみて揚げる方が違って残念ということはありません。
平日の11:30に訪問、予約は1週間前。
この日もテレビの取材が入っていて取材スタッフが出入りしていました。
昼、夜共に2回転で予約時間10分前程度に着くと、まずは3Fのに案内されます。
そこは美術品を展示しているサロン。
想像していたより展示数が多く、すぐにお食事のお時間になってしまったのでよく拝見できませんでしたが奥に小さな和室スペースもありました。
早乙女さん自身アートへの造形が深く、ご自身も画才がありサラッと描かれる筆絵は曲線美豊かでプロ並み。
頂いた時には思わず「大切にします!」と言ってしまう素晴らしいもの。
天ぷら油は太香胡麻油<淡>とのブレンド、胡麻油の香りが前に出てくるタイプ。
ですが嫌味ではなく、円やかと香ばしさが素材に華を添える天ぷらです。
早乙女さんは揚げられている時は寡黙、流れる様な所作。
孤高さがあり、その眼差しはアーティストに見る'世界'に入り込んでいる雰囲気で、天ぷらを「モノづくり」と仰るのが実際拝見してよく分かりました。
お弟子さんの不備に対して厳しい方もいらっしゃいますが、早乙女さんはソフトに指摘されますのでピリピリしたムードはなくお食事ができます。
コースはランチ(11340円)のみかと思いましたが、夜のおまかせ(18360円)も有。
お聞きすると種の質が違い、今シーズンは稚鮎、うに、メゴチ等も出るとのこと。
大変魅力的だったのでおまかせを選択。
つゆは夏なので夏つゆ。
蓼×枝豆を合わせた酸味と少しの苦味が楽しめる夏にぴったりなお味でした。
突き出し
豆腐、穴子の煮こごり、枝豆
車海老×2
甘みがでていてふっくら
車海老頭×2
パリパリで香ばしく、胡麻の香りが生きています
口の中で刺さる様な感覚はありません
鱚
大きく、中は熱々ほくほくで甘く脱水に優れていて美味しいです
墨烏賊
ランチコースだとアオリイカになります
外側は少しの弾力、中は少しレア感を残す絶妙な揚げ加減
本来の繊細なお味が残っているのでこちらはお塩でいただきたいところ
業を感じる素晴らしい一品
海老しんじょうのすまし汁
うに大葉巻き
深町でも定番として人気も高いうに大葉巻き。
外の大葉はサクッとこちらのはうにの量は一回り小さめですが、レアさは楽しめます
茗荷
中が瑞々しく、うにの後でさっぱりして良い流れ
ただ、ランチコースですと烏賊の次に茗荷なので良さはおまかせの方が伝わりそう
稚鮎
サクッとした歯応えに甘さと苦味の両方がくっきり分かれて伝わり、おまかせにして良かったと思ったのがこちらの一品
夏つゆと相性抜群、よく脱水がでてきて余計な水分はありませんがパサついてもいない、とても美味しいです
メゴチ
ふっくら、淡泊ながらも上品な甘さ
胡麻油の香りにお味が負けていない、素材の良さを引き出した美味しい一品
穴子
大きな穴子を器の上で早乙女さんが菜箸を使いザクザクとダイナミックな音を立てて2つに切ってくれます
お塩が良く合いふんわり中は甘く蕩け瑞々しく、お店の代名詞というのに相応しい出来
とても美味しいのですが微かににおいが・・・と言っても今までの穴子の天ぷらではこちらが一番ジューシーさがありました
加減が難しいと思えた一品
ここで好きなお野菜を2種選べ、茄子とさつまいもを選択
さつまいも
品種は紅あずま、甘くパサつきはなくしっとりとした良い揚げ
茄子
中は瑞々しく熱々です
天茶
こちらをいただこうとしている時に早乙女さんが私のメニューを取り目の前で海老を描いて下さいました
スマートに描きサラッと渡してくれる姿はとても格好良く、感動で天茶への手が止まってしまいました・・・
天茶自体は小柱のかき揚げで、出汁がしっかり効いているお味でした
甘味 花豆
この日は何度も早乙女さんが天かすで油の調子を見ておられました。
どうやら付きが良い日とそうではない日があるよう。
ベストな日に行ったら更に良かったかもしれません。
脱水作業は評判だけあり素晴らしいもので、余計な水分はなくサクッとしているのに内部は瑞々しく素材の旨みとしての水分と風味を残す正にプロフェッショナルな業。
お値段は2万円弱と少しお高めではありますが、早乙女さんが揚げられた天ぷらをいただけお食事後は少しお話もできます。
私にもっと天ぷらへの経験値があったならばもっと深い所まで気付くことが出来たと思える深い世界でした。
天ぷらのお味だけでなく早乙女さんの雰囲気もグッと引き寄せられる魅力があり、是非一度は経験しておきたい天ぷらの名店です。
DETAIL DATA

アクセス、営業時間など
- 【店舗名】
- みかわ是山居
- 【住所】
- 東京都江東区福住1-3-1
- 【営業時間】
- 11:30~13:30 ┃17:30~21:00
- 【定休日】
- 水
- 【備考】
- 回転制