FOOD GARDEN

現在登録数 :  720 件

メニュー

FOOD GARDEN

現在登録数 :  720 件

現在登録数 :  720 件

オッジ ダルマット

オッジ ダルマット

星2つ半が平均

桃のパスタは9月下旬まで。四季折々のフルーツパスタはシンプルかつ完成度の高いお味

2008年オープン、六本木駅から表参道方向へ10分弱、国道線から入ったところにある季節を通して楽しめるフルーツパスタがスペシャリテのOGGI DAL-MATTO(オッジ ダルマット)。
現在は西麻布店以外に恵比寿店、お手頃にアラカルトメニューを多数用意しているHills DAL-MATTO六本木ヒルズ店があります。

お店は深いウッドが目立つ外観で店内はブラウンベース、シンプルで面積自体は広くなくカジュアル空間。
オープンキッチンでテーブル席数席とカウンターに分かれ、カウンターは奥に3席。
特にカウンターからは熱気が伝わりシェフの手捌きが間近で見られるので、熱の暑ささえ気にならなければエキサイティングな一時を経験できます。

西麻布本店は事前予約と当日予約を半々にしていて、当日は10時から予約可能。
当日平日の10時に予約をして伺いましたが、カウンター以外は満席で人気度が伺えました。

代表は斉藤誠氏と平井正人氏の共同経営、当日はセンターに齊藤誠氏がいらっしゃり退店時にはお忙しい中お見送りして下さいました。
キッチンは若い方が多く、チームプレーに優れていて言葉を交わさなくてもスムースにポジションを変えながら滞りなくお料理を仕上げていきます。

スタッフは皆さん感じよく、シェフに質問をすれば丁寧に答えてくれ接客も良好。
少しの質問に原材料を見せてくれるなどサービスでお客様の気持ちを掴むことも怠っていません。

スペシャリテはフルーツパスタ。
年間を通して旬のフルーツを使用したパスタで真冬以外は冷製で提供されます。
冬~春は苺、春~初夏はさくらんぼ、夏~初秋は桃、秋~冬は洋梨、短いシーズンですが桃の時期にプラムが供されることも。

今回は9月下旬までの冷製桃のフルーツパスタをいただき初訪問。

お料理は一見シンプルですが、バランスとセンスが良い印象。
コースも流れがあり訪問時は終盤に向かってしっかりしたお味になる傾向でした。

どこのイタリアンもそうですが、特にこちらはオリーブオイルの種類が豊富な様でそれが生かされているのがスペシャリテ。
色物と思われてしまいそうな一皿をオリーブオイルの特徴を巧みに読み取り使用することにより素材を生かしながらもシンプルにデザート感覚ではないパスタに仕上げています。
シンプルこそ難しく、原材料選びのセンス、相性が問われ、僅かなバランスの崩れを見逃さない緻密さと試行錯誤が必要になるというもの。
この積み重ねが今より更に美味しくしていくのがわかる、今後も伸びが期待できるイタリアンです。

アンティパスト

手前から時計回りで

鯖を使った生ハム 無花果やモッツアレラ、添えられるのは無花果ソース
恋するマロンという品種のカボチャ
蓮根のアラビアータ
ズッキーニのマリネ
金時草アーリオ
茄子のグラタン仕立て
ゴーヤのフリッタータ
秋刀魚の胡瓜やオクラが入ったタルタル

中央に

蛸のアランチーニ
ホオズキキャラメリゼ
とうもろこし冷製スープ

鯖を使った生ハムで無花果やモッツアレラを巻いたもの。
無花果は完熟、フルーティーで相性良く、モッツアレラなので癖なくこちらもよく合っていて、においも気にならず洒落たお味で中々美味しいです。

秋刀魚の胡瓜やオクラが入ったタルタルは、オクラということでぬるっとした食感が意外に良く合い肝ソースが苦味を効かせてにおいを軽減させアクセントに。
色々な要素を入れていますがまとまっています。

ゴーヤのフリッタータはイタリアの卵焼き、少し固めでゴーヤの苦味が締めています。

茄子のグラタン仕立てはジューシー、ズッキーニのマリネからはバジルの香りの良さが出ていて、恋するマロンという品種のカボチャは酢が使われていてさっぱり。

ホオズキは質が良好で、とうもろこし冷製スープは塩気と甘み両方が出ていました。

どれも個性を感じるレベルの高いアンティパスト。

フォカッチャとオリーブオイル

フォカッチャは焼き立て熱々。
こちらのフォカッチャは自身にはオリーブオイルは含まれておらず、一緒に供される3種類のオリーブオイルでいただきます。
訪問のタイミングによってオリーブオイルの種類は変わるようですが、私の時はリグーリア、トスカーナ、プーリア。
順番にお味が濃厚~スパイシーに変わっていくとのこと、カラーもリグーリアが一番濃い色味をしていました。

お味はリグーリアはまったりとした口当たりバターの様な濃厚さがあり、トスカーナは香りの良さと濃厚さのバランスがとれていて、プーリアはライトな苦味。
私的には完熟したコクのあるリグーリアが好み。

フォカッチャはローズマリーとゴマ。
もっちりしていてオリーブオイルと合う様にシンプルなお味でした。

プリモ ピアット 桃のパスタ

桃の甘い香りと共に運ばれたきた少し小さめのお皿にいっぱい並べられた桃は山梨県産川中島白桃。
小さめの冷やされたフォークに細かい心遣いを感じます。

要素は桃、フルーツトマト、パスタ、ホワイトペッパー、ミントのみ。
大変シンプルに作られていてある意味とても挑戦的なパスタ。

桃は質よく完熟していますが柔らかすぎず、ミントは全体を引き締めとても重要なポジション。
こちらのミントは時々見るお皿に色を持たせるために添えたのではありません。
フルーツトマトが味に幅を持たせ、パスタは少し濃厚さがありますがシンプルな味付け。
不自然さがまるでなく、甘さだけに傾倒し過ぎず、酸っぱくもない、絶妙な立ち位置で桃のフレッシュさとお食事としてのパスタを両立しています。
桃の良さとミントの爽やかさが生き、トマトとパスタで深めていました。

濃厚さがあるのでバター位は使われているのかとお聞きすると、使用しているのは塩、レモン、オリーブオイルだけとのこと。

このオリーブオイルに興味を示しているとシェフが持ってきてくれテイスティングまでさせてくれました。
使用されているオイルはポッジョ デル ソーレ。
かなりどろっとしていて、香りはじっくりと口当たりは纏わりつくようなオイルとしての感触が強く、濃厚、終盤にくっきりピリッと舌を刺激します。
この普通のオリーブオイルとは全く違う濃厚さがシンプルなパスタを仕上げる重要なベースになっていました。
ただ、このピリッとした感じはパスタにはありません、少ない原材料を巧みに操ることにより完成されたお味。

使われている原材料が少ない為どれが欠けても量が変わっても全体に大きく影響を及ぼす大変難しい一皿。
シンプルこそ誤魔化しが効かず、選ぶ要素のセンスが問われる、正しくスペシャリテ。
知る程にこちらのお店の力を知るお味となっています。

ハンガリー産鴨のスモーク

ソースはアニスとバルサミコを合わせたもの、添えられるのはブルターニュ産のお塩。
よってパンチがない甘酸っぱいソースなので、尖り過ぎていない相性の良いお塩で深みを出していただきます。
鴨肉の量は想像していたよりかなり多め。
スモークの香りが良く、少し血が見られる箇所と少々固い所がありますがお味自体は美味しいです。
価格帯からの見地からはとてもお得、私的にはこの後パスタもあるのでもう少し少なめでも良かったかもしれません。

パスタ アマトリチャーナ

こちらではパスタ量を選べ、一番少なめを選択。

ローマの郷土料理で、使用するパスタは中心が空洞の太めのブカティーニ。
玉葱とパンチェッタ、トマトのパスタで上からチーズをかけていただきます。

こちらのお皿が一番しっかりしたお味。
大切りのパンチェッタ、トマト、塩気のあるチーズがアクセントになっています。
ブカティーニはいただくと空洞なので空気感がありどこか空を噛む不思議な感覚。
空洞だからこそ濃いお味が内部まで浸透せず丁度よくいただけるのかもしれません。

ドルチェ ショコラ×オレンジアイス

ショコラアイスにショコラビスキュイ、ナッツ、オレンジソースをかけたドルチェ。
ショコラビスキュイはフォンダンショコラの生地の様に少しビター、ナッツの歯応えとオレンジが少し爽やかさを出していますが甘さはしっかりあります。
アイス温度に特徴があり、大体マイナス5~7度程度でしょうか。
アイスとクリームの中間の冷たさ、アイスの様に急に溶けだすことはありません。
ややひんやりゆっくり溶けていく不思議な温度。
これに良く似ているのはマイクリームミッケのシュークリーム、マイナス5度で作られているのですが感触は良く似ています。

ランチはおまかせで3800円程、パスタ2皿目では小を選択しましたがこちらで丁度良い位。
しっかりしたお料理がいただけこの価格なので人気店なのも頷けます。
季節によって変わるフルーツパスタをコンプリートしてみたくなる次へのシーズンに期待をもたせてくれるイタリアンでした。

DETAIL DATA

ico

アクセス、営業時間など

TOPに戻る