シューキューブが一番人気。フォルムに負けないバニラが効いたカスタードが魅力

2006年オープン、中目黒駅から10分弱。山手通りから一本入った住宅街にあるスペシャリテより輝きを放つシューキューブが人気のカカオエット･パリ。

白×黒のコントラストにフランス国旗が冴える外観、店内は落ち着いたカラーでお店自体は大きくありません。
イートインは店内にハイカウンター3席、テラス2席程。
お店はケーキだけでなく焼き菓子、パンもあり思ったよりも種類が多め、よってイートインのハイカウンターにも商品が置かれていた程でした。

代表パティシエはジェローム ケネル氏、製造責任者は椛沢貴子氏のご夫婦経営。
ジェローム ケネル氏はトゥール・ダルジャン→ラデュレ→三ツ星ルカ・カルトン（シェフパティシエ）→ピエール・エルメ（部門責任者）→プラザアテネ（スーシェフ）と名店を渡り歩きこの地にオープン。

店名のカカオエットは翻訳すると落花生。
不思議に思っていると奥様が千葉県出身ということ、落花生は1さやに2粒入っているのでペアで成長していきたいとの意を込めたとのことでした。

人気はシューキューブ。
スペシャリテは飲むショートケーキと言われるヴェリンヌ ショート ケーキ。

平日の13時頃訪問。
お客様の入りはコンスタント、リピーターさんも多く近隣から愛されているパティスリーの様。
対応は若い女性スタッフ、感じ良く対応してくれました。

シューキューブで一番有名なのはブランド的にも優位に立つ三大マカロンの一角のダロワイヨ。
以前いただいたことがあるのですが、フォルムの珍しさに対してお味がやや負け気味な印象。
形が珍しいとお味にも新しさを求めてしまう傾向があり、視覚効果によるイメージを超えていくというのも重要なキーになるというのを再確認したものでした。

こちらのシューキューブはスタンダードなヴァニーユ、ピスターシュ、メープル、はちみつオランジュの4種類。
シューキューブヴァニーユを選択。

ヴェリンヌ ショート ケーキの様な飲むタイプのケーキも他にマンゴーとマロンがありました。
飲むタイプも気になったのですが予想以上に大きかったのでシーズン物に。

現シーズンは桃。
こちらはフルーツを大胆に中心に据えて作られているようで、2種類ありましたがより桃を堪能できそうなモモ モモを選択。

イートイン利用でしたので、利用時はスタッフが前述の商品を移動してくれスペースを確保してくれました。

シューキューブ ヴァニーユ

生地はデニッシュ系、フィリングは四隅全体ぎっしり詰まっていて上層1/8程度にクレームシャンティ、他はクレームパティシエール。
ロゴのリスが描かれた板状ショコラが乗せられています。

大半を占めるクレームパティシエール、これに特徴有。
クレームパティシエールの色は濃く卵が強そうに見えるのですが実際は卵は出過ぎず、甘さは強過ぎず食べやすく仕上げています。
少し重さのある滑らかさで存在感はあるものの、お味は重くない。
他ではないタイプのクレームパティシエールですが、尖っていると言う訳でもありません。

ポイントはタヒチ産バニラビーンズ。
この配合量のバランスらしく、お店の方も「卵のにおいが強いクレームパティシエールには仕上げていません」とのことでした。
量はたくさん入っていますがもたれることもなくいただけます。

生地はデニッシュ系、バターのコクと少しの塩気。
上の板状ショコラは相性良くお味を深めていてただの可愛いロゴショコラではありません。
クレームシャンティと自然に交わりフォルムの奇抜さに負けないお味に仕上がり。

気になる点はデニッシュ生地により綺麗にいただけないこと位でしょうか。
ちなみにどうしてこの形にしたのか、理由は日本で四角いスイカを見たからとのことでした。

モモ モモ

名前通り四隅全てフレッシュな桃で囲まれたタルト。
主な構成はトップにクレームシャンティ、桃で囲みセンターに桃のクリーム、下はパートシュクレとシンプル。

桃は甘いですがやや固め、このケーキの大半は桃が占めるのでもう少し柔らかい方がジューシーさがでたかもしれません。
中央の桃のクレームパティシエールはやや固め桃の風味がたっぷり、嫌味なくフレッシュに表現されていて中々良いです。
パートシュクレは内部にクレームダマンド、アーモンドの香りとしっとりさ、パートシュクレからくるバターのコクと混ざり単純な風味には仕上げていません。
もう少し糖度の意味ではなく強さがあればもっと印象的でしたが、桃が主なのでさっぱりしているところもあり食べやすいタルトでした。

シーズン物のケーキ、パンではクロワッサンワッフル等新作にも力を入れているパティスリーなので時々訪問すれば新しい発見に出会えそうなパティスリーです。