カフェ・バッハ
星2つ半が平均
東京珈琲四天王の一角。癖と雑味がないバッハブレンド、珍しいターキッシュコーヒーもおすすめ
1968年創業、南千住駅から徒歩10分程吉野通り沿いにある珈琲好きなら知らない人がいないと言われる東京珈琲四天王の一角、自家焙煎珈琲のカフェ・バッハ。
四天王とは亀戸の珈琲道場侍、銀座のカフェ・ド・ランブル、吉祥寺のもか(現在は豆の販売のみ)、そしてこのカフェ・バッハを指します。
オーナーは「私にとってコーヒーは人生そのもの」と仰る温和な雰囲気漂う田口護氏。
珈琲と一緒に楽しむスイーツとパンは奥様が始められ二人三脚歩まれてきましたが、現在は15人のスタッフが働くお店になりました。
日本に珈琲文化を根付かせた第一人者としても知られ、珈琲書籍の出版、テレビでも特集され連日休日には行列ができる人気店です。
バッハでは、ハンドピック(手作業で一豆ずつ選別すること)、焙煎(オリジナルの焙煎機を使い、煎りムラのないこと)、新鮮(毎日使う分だけ焙煎すること)の3点揃った珈琲を毎日提供しています。
主力はハンドドリップでドリッパー、サーバー、フィルターはバッハオリジナルで販売もしています。
ドリッパーはリブが高めにすることにより抽出スピードを早め、フィルターは透過率を良くしたものだそう。
平日の9時30頃訪問、入店時喫煙禁煙と聞かれ禁煙を選択するとカウンターに案内されました。
どうやら入口付近が喫煙席でした。
内部は歴史を感じさせる造りでクラシックが流れる純喫茶店タイプ。
お席は半分程度埋まっていてスタッフは新規のお客様には「いらっしゃいませ」と、常連様には「おはようございます」と声掛けをします。
接客は丁寧、お水は時間が経つとカップごと交換してくれます。
皆さん良い方ですが、お一人とても感じの良く、気も利く女性バリスタがいらっしゃいました。
バリスタは皆さんバッジをつけています。
これは珈琲マイスターの試験に合格された証、カウンター越しから珈琲を真剣に丁寧に淹れてくれる姿が伺えました。
バッハブレンド
初入店だったので、やはりバッハブレンドをおすすめされました。
ポットタイプが有名ですがワンカップもあり、それなりの量があるので他にもオーダーを考えられるならワンカップが良いです。
バッハブレンドは、4種類のブレンドで中深煎りでカラーはそこまで深い色ではなくクリアさを残したダークブラウン。
温度は少し熱めの82~83度です。
香りは柔かと言うよりストレートに入ってきていただくと円やかさに始まり、次に苦味、後味はすっきり。
酸味は強くなく苦味が主体なタイプ。
砂糖は白双糖。
入れてみてもよく合い、円やかさが増しますが苦味は残ります。
ミルク
ミルクでも試してみました。
さすがに苦味は中和されましたが、更に飲みやすくこれも合います。
総じて非常に飲みやすく、オリジナリティと言うより長く愛されるタイプのお味。
癖が無い分砂糖もミルクも馴染、特にミルクは合わないものが多いですがこちらのは問題ありませんでした。
毎日飲めるように作られたお味で、尖っていなく、特段個性というより雑味がなく一体感と安定性に優れています。
ちなみに、2000年の沖縄サミットの首相晩餐会にて供されたのがこの珈琲。
珈琲が苦手なクリントン大統領もいただけたというお話も頷けます。
ターキッシュコーヒー
いただけるところが少ないのでこちらを追加でお願いしました。
ターキッシュコーヒーとはトルコ式コーヒーのことで、フィルターは使用せず珈琲豆をパウダー状にして、水と砂糖と一緒にイブリック(別名ジャズベ、柄杓型をした銅や真鍮製のもの)に直接入れて火にかける珈琲です。
底に粉が沈んでいるので、上澄み液のみをいただくスタイル。
真鍮のデミタスカップ自体もけっこう熱くなっていてるので注意するようバリスタの方からアドバイスを受けます。
いただくと凝縮されたお味でとても苦そうなイメージですが然程苦くなく酸味も特に感じず、バッハブレンドと同じく尖っていません。
甘さは強くなく、上澄みのみを注意して注いでも粉っぽさはあります。
お砂糖はつきませんので、甘さのバランスはセットでついてくるフィナンシェでとります。
フィナンシェは強いバター感、外はややサクッと内部は柔らかめで中央にオレンジピールが入っていてよく香りアクセントに。
バターでコクを出しているのでよく合いました。
思ったよりもずっと飲みやすく、意外にこの粉っぽさが癖になりそう。
駅から歩きアクセスが良いとは言えませんが、経験できて良かったと思わせてくれる日本人らしい珈琲の原点を垣間見ました。
DETAIL DATA
アクセス、営業時間など
- 【店舗名】
- カフェ バッハ
- 【住所】
- 東京都台東区日本堤1-23-9
- 【営業時間】
- 8:30~20:00
- 【定休日】
- 金