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キッチン・ボン

キッチン・ボン

星2つ半が平均

ボルシチの名店。日本で唯一帝政ロシア直伝のお味がいただけます

1955年オープン、恵比寿駅西口より3分程。日本で唯一帝政ロシア直伝のボルシチがいただけ、往年のスターにも愛された洋食店キッチン・ボン。

シェフはホテルニューグランドで修行後後を継いだ、二代目の須田紘光さん。
当店は生きた鮃を使用したフライや高級本格派シャリアピンステーキ、ハヤシライス等人気メニューはありますがスペシャリテと呼ばれているのが「ボルシチ」。
初代のお父様義男さんが、満州「大和ホテル」の料理長時代に旧帝政ロシアの料理長から伝授されたもの。
日本で唯一本物のお味をいただけると昔から著名人・有名人も足しげく通い、今でもメディアで紹介される有名メニューでもあります。

今回はそのボルシチをいただきに平日の19時過ぎに訪問。

場所は恵比寿西の多叉路、角地の地下にあります。
入店するとお店には前述の須田さんとマダムのお2人、他にスタッフはいません。
テーブルクロスは赤のチェック柄、壁に往年のスター色紙が飾られ、暖色のペンダントライトが店内を照らす歴史を感じさせつつ家庭的な内装。
お席はテーブルとカウンターがあり、物腰の柔かいマダムにカウンター席に案内されました。

オープンキッチンに立つコック帽をされた店主の須田さんは長年の経験からスムースにお料理をされています。
ストイックな印象でしたが、仕事から離れると穏やかな雰囲気になるそう。
マダムはとても感じ良く品があり和やかな接客をして下さいます。

メニューは左にスクリプト右に日本語で書かれた手書きのもの。
ボルシチは1500円ですが、ビーフストロガノフは5000円オーバー、シャリアピンステーキになると9000円近くする本格的ラインナップ。
オーダーはボルシチ、記載されたメニューは全て単品なのでパンをセットでいただきました。

ボルシチ

60年以上継ぎ足しで作られているボルシチ
大きくカットされた牛肉に中央に見えるのはじゃがいも、生クリームをかけて輪切りのレモンを乗せています
レモンは全て絞ると酸っぱいので適量でとのことです

お皿からは自然に入り込んでくる酸味を含んだ綺麗な香り

口当たりはとてもさらさら
ですが、野菜と牛肉の旨みが凝縮されていてあっさりしていながら深みがあります

酸味が強い、と伺っていましたが私的にはさほど強さは感じず予想外だったのはにんにく
かなり使用されているのでいただくと香りの軸になっていて、みじん切りとして散りばめられていました

後に入れたにんにく以外の具材はとろとろになっていて、固形としては少しビーツが残っているくらい
長い時間をかけてじっくり煮込まれていて、余すところなく個々のお味がでていますが出過ぎてしまっているわけでもありません

コクを与えるクリームはサワークリームではなく、生クリーム
お肉は牛バラ肉、5日にも渡って仕込みをされているので溶ける口当たり
具材としての食感は中心のじゃがいもで楽しみます

酸味はあっても尖ってなく奥深さとにんにく、レモンの酸味が合わさったくどさは全くない品があり円熟したお味です
強さを濃厚さに頼っていない、歴史があるからこそ仕上がるお味になっていました

ライ麦パン

バターをつけて、ボルシチと一緒にいただきます

単体でいただくとしっとり系ではなく、噛むほどに良さがでます
芳香が特徴的なパンで見た目はフェンネルらしき実がたくさん練り込まれていて、何の実か伺ってみるとハーブの一種カルワシというものだそう

ボルシチにつけていただくと初めてポテンシャルを発揮します
ボルシチの良さを消さず支えていて、しっとり系でない良さ、強めのハーブが華やかに彩ります
素朴な見た目と作りですが、このボルシチの為にあるようなお味で是非一緒にいただきたいおすすめのパンです




量は多過ぎず、さらりといただけお腹に優しくてもしっかり記憶として残る完成度の高いボルシチでした。

お店は昼・夜営業に分かれていて両時間共に5分から始まります。
それは「お客様とのご縁がありますように」と願いが込められたもの。
家庭的要素と本格的なお料理が重なる独自のキレがあるボルシチをもつ名店でした。

DETAIL DATA

ico

アクセス、営業時間など

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