いちごのフルーツパスタは初夏まで。あまおうの甘さ弾ける南国冷製カッペリーニ

2013年移転オープン、東銀座駅から3分程。昭和通りから一本入ったところにある季節折々のフルーツパスタが人気のクラッティーニ。

オーナーは倉谷義成シェフ。
始まりは1991年石神井の「クラッティーニ」、その後2006年に丸の内に移転し店名を「グットドール・クラッティーニ」に、そして2013年3回目の移転の地として選んだのがここ東銀座。
店名をクラッティーニに戻しオープンしました。

スペシャリテは石神井時代から続く夏季限定の「冷たい桃のスパゲッティーニ」。
その名の通りパスタにたくさんの桃が乗ったフルーツパスタ。
フルーツパスタは季節によってフルーツを変え、いちごやさくらんぼ、ぶどうや柿等年間を通して種類は様々あります。

ディナーで十種類以上、ランチでも8種類とパスタに重点を置いたお店ですが、ドルチェは専任のパティシエールが作り、カフェは中目黒のカフェ ファソンのオリジナルブレンドと拘りをみせています。

今回は3月末～初夏まで楽しめる「プレミア苺と旨とまとの冷製カッペリーニ」をいただきに平日のディナータイムに訪問。
電話予約での対応も良かったため、訪問前から期待して伺いました。

お店は昭和通りから入った所にあり、銀座の喧騒から一転、飲食店は点在しているのですが静かな場所にあります。
ビルの地下一階、階段を降りるとお電話で対応して下さった女性が迎えて下さいました。
店内はオフホワイト、天井はやや高いので地下の圧迫感はありません。
光量もあり、オープンキッチンの木の温もりがある柔らかな雰囲気。
特にドレスコードはありません。
テーブルには席札が置かれ、気遣いが嬉しいです。

センターには倉谷義成シェフ、もう1人シェフがいらっしゃりお店は3人態勢。

混み合うのはランチタイムらしく、平日のディナーということもあってかゆったり過ごせました。
ランチは2000円～コースでも4000円程度と銀座の地でCP抜群。
ディナーになるとアラカルトもしくはコース8800円か11000円。
アンティパストをオーダーしたりドルチェをいただいたりしますと6000円位はしますが、どれもレベルがしっかりしているのでじっくり楽しむならディナーも良いかもしれません。

今回はアラカルトで、アンティパストを田舎風パテとスモーク帆立とモッツアレラ、パスタをプレミア苺と旨とまとの冷製カッペリーニ、ドリンクをドイツゲヴェルツトラミネールの白ブドウジュース、ドルチェをハルミ（柑橘）使用のババにしました。

 

ドリンク ドイツゲヴェルツトラミネールの100%白ブドウジュース

大変芳醇な白ブドウジュース
円やかで香りが強く、密の様なお味とはこれのこと
一気にいただくのではなく、少しずつ楽しみたくなるソフトドリンクの範疇を超えた濃密なドリンク

ストゥッキーノ お野菜のスープ

じゃがいもを主とし人参、キャベツ等お野菜と水、お塩だけで作った濃厚スープ
野菜を濾したとろっとした舌触り、塩気はありますが野菜が甘く濃くでているのでバランスは良好
ぎゅっと濃縮した野菜が楽しめ、少量でも印象深く残るストゥッキーノ

フォカッチャ

じゃがいもとアンチョビを合わせた滑らかなパテをつけていただく、パンとして楽しめるフォカッチャ

アンティパスト 田舎風パテ

ビーフとポーク、ビーツを合わせた田舎風パテ、パクチーソース
それなりに大きさがありますがビーフとポークのハーフという点、ビーツでさっぱりしている点が効いていて肉が全面にこないので重くありません
パクチーソースも癖なくガーリックも入り、お味も濃くなく飽きずにいただけました

アンティパスト スモーク帆立とモッツアレラ

パクチーは大丈夫ですか？と聞いて下さり、大丈夫とお答えしたらこんもりでサーブされたアンティパスト
パクチーを退けると帆立とモッツアレラ、トマト、その下に徳島の人参、蕪が入っていました
帆立はレアで軽くスモークしたもの、柔らかで香りが良いです
パクチーは最初量が多いかも・・・と思ったのですが相性良好
柔かなお味と酸味にパンチを与えていて美味しいです
流行りなのでパクチーという使い方ではない良い組み合わせでした

プレミア苺と旨とまとの冷製カッペリーニ

冷やしたカトラリーをセットしていただき、プレミア苺と旨とまとの冷製カッペリーニがサーブされました
お皿を紅く埋め尽くすのはいちごのあまおう、中のパスタにはパッションフルーツと金柑を合わせています

お味は南国風パスタ
パッションフルーツの香りが強く、爽やかな風が伝わってくるよう
香りのセンターはこのパッションフルーツです
あまおうは完熟で糖度が高く、そこにただ甘くならない様に金柑がほんのりと自然な苦味を演出
もちもちした細いカッペリーニは茹で加減も良いです

これこそフルーツパスタと言った感じの仕上がり
お食事パスタではなくフルーツパスタとして楽しみたい一皿で想像していたよりフルーティーで驚きましたが、バランスは良好
キャリアがあるから落ち着いたお味に着地できたパスタです

ドルチェ ハルミ（柑橘）を使用したババ カッサータを添えて

ラム酒の良い香りに包まれサーブされました

上にかかった生クリームはふわふわでミルク感たっぷり

カッサータとはリコッタチーズを用いたアイスケーキのこと
くるみやナッツ、レーズンがいっぱい入ったリッチなお味です

ハルミの香りが交わりフルーティーになり、甘さもありますがリキュールも効いているのでバランスはとれています
良い点はリキュールがくど過ぎないこと、リキュールの尖りはなく大人味＝お酒の方程式にはとっていませんでした

 

アラカルトでサクッと普段使いでいただいても良いですし、イタリアンも良いけど重いのは・・・と思う時にもオススメ。
さらっとしていて、どこかヘルシーなお皿達でした。
お味は20年以上のキャリアをお持ちなので、安定感があり安心していただけます。
倉谷シェフ始め接客が良いですし、最後はお土産のクッキーをいただきホールの方がお見送りもして下さいました。
トークも楽しめますし、夜は穴場的存在かもしれません。
シーズンを変えてまた他のフルーツパスタをゆっくりいただきに再訪問したくなるクラッティーニでした。