カラメルソースでいただく特製りんごパイが人気。ビターさはありますが甘みも強く濃厚な味わい

1954年開業、御茶ノ水駅から神保町方面に6分程度。表通りから一本入り、木々の葉が落ち秋めいた坂を登れば見えてくるクラシック山の上のホテル。
こちらのコーヒーパーラー ヒルトップでは個性的なアップルパイ（特製りんごパイ）があり人気を集めていると聞き平日に訪問。

日本におけるクラシックホテルの1つ山の上のホテル。
設立は1937年にGHQに支配を解かれた後、ホテルとしては1954年に開業しました。
川端康成、三島由紀夫、池波正太郎、松本清張、伊集院静等の文豪が常宿として利用したところから「文化人のホテル」とも言われています。

建築はウィリアム メレル ヴォーリズ。
代表建築物は山の上のホテル以外に大阪教会、関西学院大学、神戸女学院、旧大同生命ビル等名が知れたものばかり。
また建築家でありながら実業家の側面をもち、設立者の1人としてメンソレータムを普及させ、ハモンドオルガンを持ち込んだ人物としても知られています。

重厚感のあるエントランスをくぐると内部はアールデコを基調とし、赤い絨毯に白い天井から下がるシャンデリア、アソートカラーとしてアールデコのダークブランを使用した正統派のクラシック。
思った程は広くなく昭和の雰囲気漂う、平日ということもあるかもしれませんがざわつきも少なく静か。
お客様はいらっしゃいますが実年層の方が多く皆様上品なので騒がれる方はいらっしゃいませんでした。

コーヒーパーラー ヒルトップはフロアガイドには地下1階とありますが入って正面の階段では行けません。
右方向へ進み「てんぷらと和食 山の上」を通り越し左に曲がると階段がありそこを降りると見えてきます。
宿泊者以外ですと感覚的に寄るというよりヒルトップに行くと決めていなければ寄らないような多少分かりにくいところにありました。

店内は7割程埋まっていて人気店の様、年齢層は広くマダム層も多め。
接客は丁寧、付かず離れずの距離感でした。

ヒルトップ店内は豪華というより可愛い寄りで、レトロで大事に時を刻んできたのが分かる内装。
窓が大きく取られ、エントランス方向はガラス張りの明るいお店です。
オルゴールの優しいBGM、インテリアは背もたれの高い椅子は円みのあるデザイン、重々しくない陶器のバラを象った細工が下がるフラワーシャンデリア、ドレープが優雅なカーテンと女性向け。
全体的にはライトで利用しやすい雰囲気、お会計はキャッシャーとなります。

こちらで評判が高いのが「特製りんごパイ アイスクリーム添え」。
都内のアップルパイとして有名で来店時も「ここのアップルパイは美味しいの」と話題にされているお客様もちらほら。
通常予想するアップルパイとは違い、パイとりんごは別々に用意し最後にりんごをパイで挟んだ様なフォルムとが特徴です。

特製りんごパイとセットでアイスコーヒーを選択。

アイスコーヒー

水出しで約10時間かけて抽出したもの
苦味も酸味もしっかりある深く強い味わいで豆の香りも強いです
よって円やかさはなくエッジの効いた味わいでした

特製りんごパイ アイスクリーム添え

りんご半子分を3等分に切ったコンポートを上下薄めのパイでサンドしたフォルム
手前はバニラアイス、茶系ソースはカラメルでたっぷり量があります

ほんのり温かいりんごは少しのシャクっとした感覚を残す絶妙な柔かさ
火を通し過ぎて水っぽくべちゃっとなっているりんごではありません
シナモン香る甘さを控えたピュアなお味で甘味が染み込み過ぎず中々良いです

パイはサクサクで塩気があり、内部の層数は少なくエアリーな食感
バニラアイスはやや濃厚さがありホテルらしいお味

少し粘度があるカラメルは苦味を効かせ裏に隠れていますが甘みもかなり強め
刺すような濃厚さと甘みがありますが、一辺倒な濃さではないので癖になるような魅力があるカラメル
アイスの冷たさで近くのカラメルは飴状になりこれがまた違った感触をもたらせてくれました
りんごとパイがそんなに強いお味ではないのでこのカラメルが全体のお味を引っ張っている感じです

シナモンがふわりと香り、本来の姿を残すりんごとパイの香ばしさ、カラメルの強さが生きて濃さがあるお味ですがバランスが考えられていました

価格はドリンク込みで1400円程度とホテルとしては控えめなお値段。
ホテルらしい堅苦しさはなくドレスコードももちろんありませんので普段着でちょっとお茶するにも適しています。
想像してたよりもはっきりしたお味、ホテルというとライトなものも多いですがそれとは違いかなり印象深いもの。
フォルムもいただきかたも他のアップルパイとは違いオリジナリティがありここでしかないアップルパイでした。