ヴィエノワズリーがいっぱい。ふかふかしたパンオレ生地に上品な甘みのパンたち

2007年リニューアルオープン、中目黒駅より山手通りを不動前方向に15分程。柔かなパンオレ生地に旬の果物やお食事パンが楽しめるジャンティーユ。
分かりやすい位置にありますが、やはり駅からは少し遠い印象。
大体5分間隔で山手通り沿いを真っすぐ運行するバスがあるので、利用するのがおすすめです。

店舗はパリをイメージしたそう。
外観はホワイトベースに外壁を細いワイヤーを格子状に張り巡らし、内部はすっきり見渡せる木枠で囲ったガラス張りでドア部分のみ重厚感がある木製のもの。
ガラス張りのやや中央下に木枠の横木を配置しバランスをとっているデザイン性が光る、ナチュラルでシンプルな中にもセンスがあるお店です。

お店は横に長く大きくはありません。
前述のアンティークドアは開き戸ではなく引き戸であることが敷地面積を物語っていました。
2階にはカフェがあり（水・日・祝お休み）そこでは購入したパンやカフェメニューのクロックムッシュ等が楽しめます。

店主は坂口実ブーランジェで実は代々続くブーランジェリーの三代目。
お洒落で新しさがある雰囲気ですが、この形になったのは2007年のリニューアルオープン時のこと。

バケット系を除くパンの多くは水の代わりに牛乳を使用した柔かでもっちりした仄かな甘みのあるパンオレ。
小さな店舗にはヴィエノワズリーやお食事パンで溢れ、どれも見た目から柔かそうで温かみのあるフォルム。
お味はパンオレの優しい口当たりにヴィエノワズリーフィリングは上品な甘み、お食事パンもお味は濃くありません。
フランス語で優しいを意味するジャンティーユ、店名通りのお味を表現したパンばかりです。

休日の15時頃、どれくらいパンが残っているか気になったのでお電話するとまだ種類は大体残っているとのこと。
来店するとお店にはお客様がいっぱいで、確かに種類自体はありましたが残り個数は少なめで次々売れていきます。
私が退店するころには売り切れる種類もありました。
お店曰く一番種類が並ぶのが13時とのことなのでベストは14時位かもしれません。

お客様は土地柄お洒落な方が多く年齢層は落ち着いた方が殆どで、外人さんも多くいらっしゃいました。

パンの見せ方はウッドチェアの上にさりげなくディスプレイするなど特段飾り立てずナチュラル。
その分本来持つこちらのパンの魅力を引き立てダイレクトに美味しさを訴えかけてきました。

接客は奥様と思われる方とアルバイトの方。
特に奥様は声のトーンが明るく気持ちよく過ごせます。
パンのPOPの撮影も快諾して下さいました。

きのこのリュスティック、クレームカマンベール、プチトマトとモッツアレラ、きなこクッキーと抹茶クリーム、ショコラダマンド、ビーフシチューを購入。
どれも笑顔になる温かみのある香りがあります。

きのこのリュスティック

フランスパン生地に舞茸にチーズ、アンチョビソース、岩塩で味付けをしたお食事パン

噛み応えのある生地に舞茸がたくさん入っています
チーズはコクのあるグリュイエールチーズ系テイスト、少量でも存在感有
アンチョビは癖ない程度なので然程主張はせずアクセントに
主に舞茸のお味を楽しむシンプルかつピリッとくる刺激を楽しむお味

 

ビーフシチュー(右)

ブロッコリーとパプリカでよく見えませんが中にビーフシチューが詰まったお食事パン

ベイクしていただきました
外側からはシチューの香りは然程強くなく、中から溢れる液状のシチューはさらりとしていて重くありません

お味は濃くなく濃厚ではありませんが、その分食べやすくこってりしていません
シチュー系のパンはお味が濃く、どろっとしているのが殆ど
こちらはその逆でふかふかのパンに野菜の香りが交わる優しいお味に仕上がっていました

プチトマトとモッツアレラ

パンオレ生地の中にミニトマトとモッツアレラ、バジルペーストに塩胡椒で味付けをしたお食事パン

ベイクしていただきました
中からとろ～っと溢れるモッツアレラ、ミニトマトはそのまま2つ入っているため中は空洞になっていますが物足りない感じはありません
ほどよい空気感がありバジルペーストのお味は濃すぎずチーズとの相性は抜群、時々ブラックペッパーがピリッと引き締めます
弾けるフレッシュなミニトマトがジューシーで中心上にかかっている胡麻も香ばしさを与える重要なポイントに
美味しさの特徴はパンオレ生地、ふかふかで小麦のソフトなお味でこの生地によってよく見かける組み合わせのパンが他よりも柔かに仕上げていました

 

クレームカマンベール(右)

パンオレ生地にフィリングはカマンベールクリーム、中央に胡桃を埋めた平焼きパン

フィリングはたっぷり、カマンベールクリームは柔らか過ぎず濃厚さと適度な塩分
柔かなミルクを使用したパンオレがお味を丸くしています
カマンベールを存分に楽しめるお味でした

きなこクッキーと抹茶クリーム

フィリングは抹茶クリーム、ベース生地にきなこクッキー生地を絞りベイクしたパン

柔かな口当たりにきなこなのでサクサクではないしっとり系クッキー生地
仄かなきなこの粉っぽさが配合量の多さを感じさせます

フィリングの抹茶クリームはいっぱい入っていて、甘さは控えめで漂う抹茶の香り
配合量が多いのか少し重さがあり、クリーム過多にしていないためチープさはなく抹茶らしい口当たりを残しています
ですが、一方でヴィエノワズリーとしての立ち位置も忘れていないのでライトさもあり濃すぎません
奥にある抹茶のコクときなこの香りが楽しめるヴィエノワズリー

 

ショコラダマンド(右)

カカオ44%のビターショコラフィリングにパンオレ生地にアーモンドクリームを絞りベイクしたパン

こちらは過度に甘いヴィエノワズリーはないのでショコラの量は少なめ
ですがカカオ成分が強いため濃厚、量があったら重くなるので丁度いいかもしれません
クリームと言うよりショコラチップを固めたような口当たりです
上にはナッツが振りかけられていて香ばしくお味に色をあたえていました
パンオレがお味を引っ張るヴィエノワズリー

 

油っぽかったりお味が濃いことはなく食べやすく、生地は柔らかく仄かな甘みがあります。
最近の傾向より軽くもたれない印象で、パンによって傾向が違い過ぎることはありません。
どのパンからも丸さと優しさが伝わり毎日いただいても疲れなそうで、奇抜なことはしていませんが新しさがあるブーランジェリーでした。