数滴単位でじっくり淹れられる珈琲、店内の独自の世界に静かに引き込まれます

2008年目黒区に移転オープン、パティスリーエリアと知られている都立大学駅の南口方面へ徒歩3分程にある本格的ネルドリップ珈琲が楽しめるというダンアロマ。
様々なお店がある北口とは違い南口方面は住宅街、お店も街密着型が多く、ダンアロマもその一角にあります。

レンガ造り、重厚感があるドアというファサードでありながら落ち着いた色調なので、街から浮いた感じはありません。
内部は想像した以上に暗め、シールブラウンの深いカラーで壁には趣のあるカップが並べられ、BGMはクラシック。
普通の喫茶店より若干長いカウンター。
アンティーク調に囲まれ、レジはライトな音が出るアンティークレジスターでした。

休日の15時頃訪問。
お客様は一定間隔にカウンターに座られていました。
本を読む方、静かに作業をされる方、こういうタイプの喫茶店慣れをしたお客様が多かったです。

その醸し出される雰囲気から珈琲をいただかなくてもここが間違えがない喫茶店だと分かります。

この日はマスターお一人でいつもは誰かもう一人いらっしゃるそう。
お一人で珈琲を淹れられたり、軽食を作られたり大変そうですが、軽やかに行われるのでピリピリした感じはありません。

マスターはおしぼりを広げて提供してくれたりお忙しいのに気遣いのある方。

ネルドリップでデミタス、深煎りタイプを希望。
豆の種類はそれなりにあり、どれにしようかと思っていましたら作業しつつ種類とお味の説明までして頂きました。
今回はメニューには載っていませんが、ペルーのチャンジャマイヨという豆もあるとのこと。
テイスト的にタイプかもと思いそちらをお願いしました。

淹れ方は一滴ずつ淹れていると言っても過言ではありません。
丁寧に優しくじっくり時間をかけて淹れる姿は意外にもスマートです。

チャンジャマイヨ　デミタス　30g/70cc

デミタス特有のダークショコラの様な香りで、いただくとかなりの低温抽出。
瑞々しくグッとくる苦味からじんわり太く広がり、その後に芳醇な香りと後味はすっきりした苦味。
後味の苦味は嫌味ではなく、終始瑞々しさがあります。
酸味は少なめ。
強くまったりとしたそのお味に、素直に「美味しい！」と思えました。
ちょっとずつ長く飲みたいお味、とても美味しいです。

 

最後は美味しかった旨をお伝えし、マスターから気持ちのいいお見送りの言葉。
退店すると何やら不思議な感覚、それが「ダンアロマの世界」に居たと感じさせる瞬間でした。