華美ではない奥ゆかしい和の心が伝わる見た目美しい、お味上品な清風せんべい

1903年に創業、茶菓子に最適な濤々（大波音の意）、与謝蕪村の俳句に因んだしぐれ傘、竹の子の形をしたおしるこ、四季折々のイラストが美しい清風せんべいが有名な京華堂利保。
全ての商品から円みのあるフォルム、和の美しさがありお味も品があります。
最近は華美な和デザインもありますが、こちらのは奥ゆかしさ可憐さが特徴。
濤々の渦巻きや清風せんべいは手描きで描かれ「ビジネス」と考えると決してプラスではありませんが、家業で伝統を守り続けて下さっている名店です。

本店は三条から20分程度、京都らしく歴史のある建物で引き戸を開けると上品な女将さんがいらっしゃいました。
京都らしく静謐な店内、お目当ての清風せんべいは実際に見ると更に可憐で美しい。
この日店内にあったのは、濤々、清風せんべい、しぐれ傘でした。

濤々、清風せんべいを6枚ずつ購入、合計額は3000円程度。

清風せんべい

麩焼き煎餅に四季折々の風景を手描きで描かれています。
春夏秋冬絵柄は違い、手描きなので全く同じ感じには仕上がっていません。
原材料はもち米と砂糖と醤油。
香ばしい香りに軽い口当たり、さっくりふんわりほんのり甘いです。
砂糖と醤油のバランスが良くどちらかに偏っているお味でもありません。
中心に向けて少し甘くなりますが、薄ら甘い程度。
見た目もお味も上品でお茶に合い、美味しい麩焼き、おすすめです。

濤々

大波音を意味する濤々。
麩焼き煎餅の上には荒々しさもある力強い並の渦。
原材料は砂糖、練り餡、水飴、米粉、大徳寺納豆。
清風せんべいと同じく香ばしいお味と香り。
練り餡の甘さはそれなりにありますが、大徳寺納豆の酸っぽさがお味を引き締めます。
大徳寺納豆の酸味を抑えるためにもあまり練り餡が甘さ控えめですとバランスが崩れてしまいそう。
大徳寺納豆は細かく砕かれたものがそのまま入っています。
これがベストバランスの気がします、美味しいです。
深みのあるお茶に合わせたいところ。