蒸しパン・蒸しドーナツの専門店。どれもふわふわしっとり、TV紹介されたカレー蒸しパンは個性光るお味

2011年オープン、都立大学駅から10分程。自由通り沿いにある蒸しパン・蒸しドーナツ専門店八雲蒸しパン。

オーナーは斎藤佳美氏。
元々は自動車メーカー勤務という全く違う職種でしたがカフェ開業のために転職し修行後、この地に八雲蒸しパンをオープンした志高い方。
決して立地が良いとは言えませんが開店1年後には書籍を出版、コラボしたくまモンフォルムの蒸しパンでお子様からの支持も広がり、その後テレビでも取り上げられるなどして今では知られる人気店になりました。

お店はマンション1階の小さなデッキ席と白い日除け暖簾に描かれたレッド系のロゴが目をひく外観。
同マンション同階には人気中華のわさがあります。

店内はホワイトベースにナチュラルカラーの木材を使用した空間で入って正面のカウンターに商品が並べられ対面式販売で奥が工房。
右にイートインスペースのカウンター席、左のブラックボードに手描きの商品紹介。
壁には近所のお子様が寄せたアイディア蒸しパンの絵が所狭しと貼られ、こじんまりとはしていますが温かいお家に居るような気分になれるお店です。

平日の13時頃訪問、種類は全て残っている状態。
接客はオーナー様でさっぱりした感じの良さがある方でした。

当店の主力は昔懐かしい蒸しパン、それを様々なフレーバーとフィリングで展開。
余計な保存料を入れず、牛乳、卵、油不使用でアレルギーが心配な方にも対応。（蒸しドーナツは牛乳、卵使用）

訪問時蒸しパンは当日のみのお味が3種類程あり、それ以外にもシーズン限定モノも有。
種類は蒸しパン、蒸しドーナツ合わせて20種類程度ありました。

一番人気は基本の蒸しパン、テレビで紹介されたおじゃがカレーがおすすめとして出ていて、ドーナツは揚げてないので並べられているどの商品も油っぽくなくヘルシーそうなふわふわ系。
アイスむしどーなつという他では見ないメニューもありこちらはイートインがおすすめ。

蒸しパンは基本のむしぱん、おじゃがカレー、ショコラ(ビター)を、蒸しドーナツはプレーン、キャラメルメープル、抹茶あんを購入。

賞味期限ですがお惣菜系蒸しパンは当日まで、その他の蒸しパンは翌日まで、蒸しドーナツは全て明後日までとのことでした。

口当たりはどれもふんわりしっとり、特に蒸しパンの水分量は高く触ると瑞々しいほど。
外側は水気を感じて中はふわふわの食感、そんなに弾力は強くありません。

翌日になっても蒸しパン、蒸しドーナツ共にパサつきは全くなく食感は落ちませんでした。
双方に米粉を入れることにより満足感にも優れ、小麦と米粉の自然の甘さを生かした温かみのあるお味です。

おじゃがカレー

地元のレストランとコラボしたというカレー蒸しパン
テレビでも取り上げられたのがこちらの商品です

温めていただきました

いただく前から強いカレーの香り
中心にじゃがいも、その下はルーがたっぷり

最初は生地本来の優しい甘みがありますがカレー粉が練りこまれているため途中から徐々に辛くなっていきます
生地の甘さと交わって中辛になるのではなく、辛いですがほんのり甘いという二極の風味

カレーは辛口
レストラン自慢のカレーとコラボしただけあり真っ直ぐ綺麗な辛さが突き抜けます
じゃがいものみが後から追加した形でお味は独立していますが、他の具はカレーに馴染んでとろけている状態

生地の甘さとカレーの辛さ、コントラストを楽しむお味
お子様は食べられない程辛めなので、香辛料が苦手な方は注意が必要

独創的でいただく前は相性が気になりましたがおすすめだけあり中々美味
後まで辛さが続き本格的なカレー、大人味を楽しみたい方におすすめ

ショコラ

冬季限定、ビターとミルク、2種類のテイストがありビターを購入

上にビターショコラのアイシングがかかっていたので温めずにいただきました

蒸しパンからはショコラを配合していることはわかりますが濃厚さはなく、生地本来の甘さにショコラの香りを楽しむ程度
卵や乳製品も入っていないのもあり軽いお味です

アイシングショコラはほろ苦く大人な味わい
フィリングとして中心にショコラブロックが入っていてこちらもビターテイストですが深さがあり存在感有
ここでショコラ蒸しパンをいただいているという認識になりました

上手く温めればフォンダンショコラみたいに楽しめそうで美味しさもアップしそうです

基本のむしぱん

小麦粉と米粉、お水だけで作った蒸しパン

当店の基礎となっているお味で原材料が少ない分米粉の風味が他より強く感じ、ふわもちの食感がダイレクトに伝わります
うっすら甘みがあり、素朴でベース色が強いお味
他のフレーバーの展開元というのがよく分かるお味、お店を知るという意味では良さそう

ですが他のフレーバーをいただいた後ですと何かもう少し複雑さが欲しいかも、と思ってしまうかもしれません

 

*以下は蒸しドーナツです*

プレーン

袋から開けると卵と牛乳のソフトな甘い香りがして蒸しパンとは全く違うことがすぐ分かります
口当たりはふわふわ系、さほどもっちりはしていません

卵のコクと粉モノの素朴さが上手く交わり懐かしく柔らかい甘さ、口当たりともよくマッチしています
物足りなさはなく、蒸しパンよりドーナツ系の方がスイーツらしさがありました

キャラメルメープル

ベースはメープル風味、茶色く見えるのがキャラメルでザクザクした食感があります

全体的にメープルの香りが強くキャラメルは主に甘さを強める担当の様

いただいた中で一番甘みは強めですが、香ばしくナチュラルさがある甘み
しっとり×サクサクを楽しめ、食感ではお店一番の特徴を持った商品

抹茶あん

抹茶のみとフィリングとして粒餡が入っているもの、2種類のテイストがあり後者の抹茶あんを購入

噛まずとも口の中にふわりと広がる抹茶の香り
抹茶の風味は特段苦味としては伝えてきませんが、爽やかですっきり系
生地の柔かな甘さとも合っています

フィリングの粒餡は全体的に入っていて蒸しドーナツとして完成しているので水分量は多くありませんがパサつきもありません
甘さは強くなく、抹茶生地がさっぱりしているので和菓子的な甘さはなく、食べやすく蒸しドーナツとしての不自然さもありませんでした

 

くまモンとコラボしたりお店の雰囲気からお子様向けで甘さもそれなりと思っていましたがどちらかというと大人が楽しめるお味。
ふわふわの口当たりはどの商品からも感じられ安定しています。
蒸しパンは優しい気持ちにさせてくれ昔懐かしい気分にしてくれる一方で進化も感じます。
蒸しドーナツはドーナツ特有の重さは全くなく、素朴ながらも温かく私的にはドーナツも是非お手に取って頂きたいお味。
蒸しパン、蒸しドーナツ共に優しい個性が光るお店でした。