古城
星2つ半が平均
バロック様式の城をイメージしたカフェ。考えられない程の私財をつぎ込んだ空間です
1963年オープン、日比谷線上野駅1番出口から2分程。浅草通りから入った所にあるオーダーメイドのバロック昭和喫茶古城。
「一万円札を貼り付けるようだ」と言われる多くの私財を投じて先代が造り上げ、現在は二代目となっています。
看板に高級喫茶と書かれているところがいかにも昭和らしさを漂わせます。
お店は地下、細長い階段のエントランスから最初に出迎えてくれるのがロシア皇帝をイメージした大きなステンドグラス。
階段の手摺下部には嵌め込まれたライオン真鍮像があり気付きにくい所にも数々のデザインを忍ばせていて、入店前から当時かなりの投資をして造られたことが分かります。
特にドアを開けることもなく店内へ。
内部はバロック様式の極みを追求した振り切った内装でステンドグラス、シャンデリア、大理石の床など全てが特注品。
特に店内奥壁一面のバックライトで煌々と照らし出されたエルミタージュをモチーフとしたオーダーメイドのステンドグラスには圧倒されます。
見回すと繊細なデザインをされた上部がクリスタルシャワーの大きな菱形シャンデリア、大理石の暖炉、石積み壁、アールデコデザインの大理石床、柱頭もバロック様式と細部まで拘りぬいたもの。
ステンドグラスの手前には時間帯によっては演奏もされることもあるというパイプオルガンが置かれ、壁面にはツタンカーメン王のマスクやヴィーナスの像まで飾られた現デザインでは考えつかない詰込過多な印象さえある内装です。
平日の17時頃訪問。
お席は全てソファ席で大きめでゆったり、好きなお席が選べました。
全席喫煙可能。
外部と遮るドアはないものの室温は丁度良いです。
スタッフはミドルエイジの男性責任者とアルバイトの外国籍の男性。
お話するとにこやかで親しみやすい人柄のお2人でした。
石造りの仕切りで区切られているもののお客様は大体2組程度でその後もご来店がありましたが全員お1人様。
本を読まれたり、座り心地の良いソファとクラシックBGMのボリュームからかうたた寝されている方もいらっしゃいました。
眩しい程に光を放つステンドグラスに目を奪われがちですが、本棚には漫画が置かれるなど実はとても寛ぎやすい空間です。
メニューは丸ゴシック体の昭和の喫茶店らしいもので、写真付きで大きく取り上げられているのはホットココアやカプチーノ、デカフェ。
スタンダードなコーヒーは文字記載のみでブルーマウンテンでした。
フードはケーキセットやパフェ、サンドイッチ等。
特に目に留まったのが下層部をメロンシロップで占めたグリーンカラーのバナナパフェ。
今では見かけない・・・と言いますか私的には写真でしか見たことがないフォルム。
オーダーはこのバナナパフェにしました。
バナナパフェ
サンデーグラスはミドルサイズ
構成は上から等間隔にバナナ、その手前にみかん、中心は生クリームで上部中央にチェリー
生クリームの下にはバニラアイス、その下が微炭酸のメロンソーダそこに浮かぶのはパイナップルとみかん
フルーツはバナナ以外全て缶詰という昭和的パフェです
生クリームは昔ながらのお味で甘めですがチープではありません
下にはスタンダードなバニラアイス、今時のこっくりしたお味ではありませんでした
他の素材がシンプルなので生クリームもバニラアイスも個性が立ちすぎずバランスはとれていました
微炭酸のメロンソーダと上部が溶け合った時のことを心配しましたが、生クリームとバニラアイスなのでイメージ的にはメロンソーダ
溶けても不自然さはありません
過度に甘過ぎることもなく、追求されたパフェと比べるタイプのものではありませんがメロンソーダをベースに飾った感があるため最後まですんなりいただけました
重い感じもなく、私的には下層が沢山のシリアルよりいただきやすくて良かったです
滞在しているとステンドグラスからの光量が安らぎを誘い、ソファのふかふかさと適温で確かにうたた寝したくなる雰囲気です。
最初はちょっと内装に驚きましたが何となく長居してしまう、どちらかと言うとお1人で利用するに適している喫茶店。
ここまでのカフェはまず見かけないはず。
ストッパーを設けず昭和だから出来た様なお店、いい経験になりました。
DETAIL DATA
アクセス、営業時間など
- 【店舗名】
- 古城
- 【住所】
- 東京都台東区東上野3-39-10
- 【営業時間】
- 8:30~21:00
- 【定休日】
- 日 祝