和栗だけのお店。1日20個季節限定のHITOMARU、今年も大人気です

2011年オープン、日暮里駅から7分程度。だんだん坂を下った谷中銀座商店街にある｢栗｣のスイーツのみで勝負する和栗や。

名前の通り使用する栗は茨城県岩間の和栗。
ここ和栗やの最大特徴は無燻製であるということ。
収穫後に即日選別をし、低温で1ヵ月以上ねかせることによって燻製処理を避け、糖度を約4倍に上昇させた熟成栗を作り上げています。

スペシャリテはもちろんモンブラン。
新鮮な栗を味わって頂くためにリキュール、香料等は一切使用しない無添加製法。
なので通常のモンブランよりも風味落ちが早く、モンブランは全商品テイクアウトはできません。

ですが、こちらはオーダー後に作るので店内では他店で味わえないいつでも作り立ての美味しさを楽しめます。

モンブランシリーズの全体的な方向性としては、パティスリーと違ってダイレクトに栗を感じるところ。
基本クレームパティシエールや飾り立てをせず、タルトベースにもしないので栗本来のお味を堪能したい方におすすめ。
シンプルに作られていて、素材をHPに公開する点も素材への拘りを感じさせます。

モンブランはベースのモンブラン以外に春夏秋冬形を変えていき、春にはモンブラン×フルーツ、夏にはメロンを半カットした上に栗ペーストを乗せる大胆なモンブラン、秋以降(9月下旬～12月初旬)には栗本番シーズンに相応しくプレミアムモンブラン、冬にはモンブラン×パンケーキが登場します。

訪問は2回。
1回目は15年5月平日のオープン過ぎに行くと空きがありその後も満席にはなりませんでした。
今回はプレミアムモンブランシーズンの9月末平日のオープン30分後に行くと……10人以上が待たれていました。
これはオンシーズンだからと言うものありますが、以前からある店前に出しているソフトクリームの売れ行きを見ても人気は上がっているよう。

栗と言えば和栗やと言われることも多くなり特にモンブランは話題。
お味、接客共に好感を持っていた私としては嬉しいですが休日はどれ程混むのか心配になる程。

回転を早めるために並んでいる間にオーダーを取るシステムで、前回訪問時同様接客は良く、質問をしても感じよく答えて下さいました。

お店の外観は風にたなびく白い暖簾、木を多用した引戸の和建築。
店内も同様に木を生かし、小上がりの畳が和風感を高めていますが机や椅子は純和風ではなく和モダンで全体を上手く纏めています。
カフェスペースよりも工房スペースの方が面積が広いお店。
お席はテーブル3席と複数人用席の前述の小上がりになりこちらは混雑時相席となります。

特徴的なフォルムの器は笠間焼き作家の藤本均氏のものでカフェスペースにて販売もしていました。

 

【2016/09】

今回は9月下旬～12月初旬に発売されるお店が和栗の最高峰プレミアムモンブランと銘打つ｢HITOMARU｣をいただきに再訪問。

使用する栗の品種は人丸。
甘みも香りも抜群な一方で保存には不向きで栽培が難しく、生産高全国一位の茨城でさえ数軒しか生産していない希少な品種。

個数は1日限定20個、祝日はこれより少しは多く作るらしいのですが早い時は14時過ぎ(11時オープン)に売り切れるとか。
ですが取り置きは可能なので祝日はお問い合わせが安心です。

当日伺う前に残数をお聞きしたところ特に予約はいらないとのこと。
到着時の行列は前述通りで10人以上並ばれていましたが回転は良く30分弱でお席へ。

お待ちになられているお客様の殆どがHITOMARUをご注文され、道行く人も「HITOMARUが販売開始になっている」と話題になっていました。

ドリンクセットは茎ほうじ茶、常陸ワイン<赤／白>や純米酒、ほうじ茶ラテ<無糖/微糖>があり前回美味しかったほうじ茶ラテ<微糖>を選択。

HITOMARU

程なくして提供されたHITOMARUとほうじ茶ラテ

HITOMARUの構成は下からクレームシャンティ、モンブランペースト、サイドに栗のイガ、トゲの部分をイメージしたメレンゲ、少しの金粉と大変シンプル
和栗やらしく「栗」を深く味わえる作りになっているのと同時に自信も覗かせる一品

メレンゲは甘さ控えめ、クレームシャンティは無糖、ミルキーで口溶け良くフレッシュ
両方共に人丸の風味を邪魔しない癖は無く軽く仕上げてありました

モンブランペーストは人丸の配合量が多いので少しの重さとねっとりさ、僅かにざらりとした舌触り
栗としてのお味が濃くストレートに良さを伝えてきます

甘く深く濃厚な香りが鼻腔から抜け全体を包み込む香り高さがあり、作られた甘さではないので後に残らず、残るのは栗の香りのみ

モンブランペーストとクレームシャンティを一緒にいただけば滑らかでクリーミーな味わいに
かなり人丸が押してくるのでクレームシャンティは補助的位置付け
後まで栗そのものの香りが持続します

栗の成分が強いので大きさよりもお腹にたまりました
シンプルで栗の質勝負の和栗やを代表するモンブランと言われるだけある味わいです

 

焙じ茶ラテ 微糖【写真右】

提供時にはモンブランよりこちらの方が勝る位ほうじ茶の香りが強いラテ
ホットのみの提供、量はたっぷりあります
微糖なのでほうじ茶の香ばしいお味をしっかり残しつつ、ラテの本分の円みもある柔らかなお味
別々にいただくので飲みやすく美味しいですが、一緒にいただくなら茎ほうじ茶がベストかもしれません

 

【2015/05】

平日の開店時間に訪問。
まだお客様はいらっしゃらずゆったりとした時間を過ごせました。

モンブランアイス

1日15品限定
初夏なので栗にとってはオフシーズン
それでも日本一濃厚な栗アイスを楽しめるということでこちらを選択

アイスは毎日作っているそうで、開店時間に訪問したので作り立てでした

原材料は北海道産のクレームシャンティに岩手の低温殺菌牛乳、砂糖
和栗ペーストを約50%配合した不得手なシーズンとは思えない作り

提供されたフォルムは繊細で美しいもの、お味は濃厚な栗の香りが漂いそのまったりとした味に驚きます
栗の粒子の舌触りがありながらも滑らかでペーストやアイスから栗の配合度の高さを感じさせ、更に少し固めということもあり、すぐには溶けませんでした

再びふわりと香る和栗から秋を感じさせますが、季節は夏というリッチ感に溢れる一品

いただいた後も香りが残り、栗が多く使用されているので普通のアイスよりカロリーは高そうです