茶師の茶芸龍行十八式が間近で見られます。人気の本格四川麻婆豆腐は癖になる辛さ

2007年オープン、東京駅中央口でてすぐの新丸の内ビルディング6Fにある本格四川料理が気軽に楽しめ、麻婆豆腐がスペシャリテの四川豆花飯荘。

四川豆花飯荘はシンガポール発。
本店は同国で有名なUOBプラザ60階にあり、ここ東京店が日本初上陸店舗となります。

四川料理専門と言うと店舗はやや少なく、主に夜に営業していて2名様以上のお店が多い中こちらは1人でも気軽に入れるのが特徴。
店舗も新丸の内ビルディングにあるので綺麗で明るく開放的、座席数もとても多く適度にセクション分けされており大広間という感覚はなく居やすい空間。
個室数も多いのでプライベート空間で楽しむこともできます。

平日のランチライムに訪問。
ホールの人数は大箱なので多め。
皆さんにこやかで感じよくお席につくまですれ違う誰もが挨拶をしっかりされ、料理説明も丁寧で接客は良好。
テーブルクロスは毎回交換しているのでお席回りも大変綺麗です。

お客様の年齢層は40代～が多く落ち着いていて、外人のお客様も多く、接客の安定さからビジネスでご利用される方までお店の用途は幅広い印象。
全席数は130程度ありますがほぼ満席の人気店です。

当店で注目したいのは本格四川料理だけでなく、茶藝職人、資格があるというティーマスターの存在。
八宝茶をアクロバティックに淹れてくれるパフォーマンスが楽しめるというものです。

これは四川省長嘴茶壺茶芸、龍行十八式と呼ばれるもので四川特有の長嘴壺（注ぎ口が約1メートル位ある湯差しのこと）を用いて行われる茶芸。
名前通り十八式型があり様々なポーズがあります。
基本ここで拝見できるのが長嘴壺を背負いやや振り返る姿勢で蓋碗に湯を狙い撃ちするスタイル。
この茶藝職人はお店でお1人だけのようで、その方は茶芸以外では撮影にも快く答えて下さるにこやかで爽やかな方。
スマート茶芸にこなす姿は格好良く見ると目を奪われます。

蓋を開けておけば注ぎに何度でも来てくれパフォーマンスが見られます。
私の場合は開けていなくてもいかがですか、とテーブルに来てくださいました。

ちなみに八宝茶はジャスミン茶、紅なつめ、クコ、菊花、氷砂糖、百合根、龍眼、クルミを入れたもので効能はコレステロール値を下げ、血行を良くするというもの。
蓋碗と呼ばれる茶碗で供され、湯を入れて蓋をし2分程度で飲み頃となり蓋をずらして隙間からいただきます。
何杯でも楽しめて杯数を重ねるとお味が慣れてフルーティーでほんのり甘くなる変化も楽しめるお茶、中々美味しいのでこれだけで他のドリンクはいらないと思えるお味でした。

ランチメニューは主にビジネスランチセット、四川豆花飯荘麻婆豆腐セット、四川豆花ランチセット、レディースセット。
他は2名様以上のコースが3種類程ありました。
こちらの人気は麻婆豆腐、四川豆花飯荘麻婆豆腐セットにしてドリンクはシンガポールスリングを選択。

シンガポールスリング

ジン×チェリーブランデー×ソーダ×フレッシュレモンのカクテル

チェリーブランデーで甘さをフレッシュレモンですっきりと仕上げたお味
甘めですが飲みやすく度数も低め
前述通りお茶が美味しかったので余程喉が渇いていなければドリンクは特に必要ないかもしれません

四川豆花飯荘麻婆豆腐セット

スープ、麻婆豆腐、ライス、食後に杏仁豆腐の構成

スープは人参や椎茸、筍等が入った少しだけとろみのある甘口で癖がないお味
ライスは甘みがあり柔らかすぎず一定のクオリティがありました

ライスとスープはおかわりが可能

また四川豆花飯荘麻婆豆腐セットはライスをお粥にできるコースも用意されていました

麻婆豆腐

四川料理ですので、一言目は月並みですが辛い
それもストレートな辛さ、薬味独特の香り等はなく辛さを伝えてきます
花椒がどれくらい入っている等分かれば良いのですが、いただき慣れていない限りは主に辛いといった印象

油っぽくなくさらりとしていて、どろっとした重さはありません
豆腐からは豆の香りと甘さを感じ、少し辛さを軽減
辛くても慣れてくる辛味で、癖になる美味しさをもっています

一般的な麻婆豆腐とは違いこってりは一切しておらず、すっきり
少し癖があるかなと思いましたがそれはないので、辛いのが大丈夫な方はどの様な辛さが一度いただいてみても良いと思えるお味でした

杏仁豆腐

上に乗っているのはふっくらとした黒豆
ミルキーで甘め、後からふわりと香りが広がります
柔かで喉越しが良い食後向けのお味でした

 

麻婆豆腐の横道に逸れていない直球の辛さは好きな方は嵌りそう。
接客、清潔感があるので安心してシーンを選ばず来店でき、茶藝職人の業でお食事する楽しさもあります。
また真っすぐな辛い四川料理がいただきたくなったら気軽に来たいお店でした。