燻製の専門店。水分を極限まで抜き旨みあるサバサンドを始め珍しい燻製もあります

2016年オープン、小川町から徒歩2分程。燻製を専門とする食材、サンドイッチを提供して連日売切れがでる彩薫舎。

路地裏にあるお店で外壁を白、クリムゾンレッドに白文字の「燻」の円い突き出し看板が目印のこぢんまりとしたお店。
店主は20年程燻製に携わってきたという千葉幸広氏。

店内の燻製器を使用しスモークチキンやベーコンなど知られているものから、長い時間かけてししゃも、レーズン、枝豆までも思いもよらない様々な食材まで燻製させていきます。

お昼はサンドイッチ専門店として、夜は燻製をおつまみとしたバーを営業。
全て手作り無添加で作られる独自の世界が楽しめるとして、サンドイッチは連日売切れがでる人気店。

スペシャリテは燻製を深く知る視点から作り出される、燻製サバとポテトサラダのサンド。
水分を極限まで飛ばしたくさみのないサバは苦手な方でも好きになるという一品です。

今回は平日のオープン時間を2時間程過ぎた14時頃初訪問。

接客はオーナーの千葉さん、お1人で全行程をこなされていました。
物静かな方ですが、説明は丁寧にしてくださり気配りも見せてくれる和やかな雰囲気の方です。
迎えて下さったのはそれだけでなく燻製の心地よい香り、お店に優しく漂っていました。

カウンター奥に立派な燻製器があり、店内は無駄なものを省いた白×木ベースのシンプル系。
面積は広くないですが空間を大事にしているので狭い印象は受けません。
店舗レイアウトやレジ台、テーブルは自作とのことで千葉さんの器用さを伺わせました。

お席はカウンター4席とテーブル4卓、店内は騒がしくなくゆっくりお食事ができます。

お昼のメニューはサンドイッチ。
燻製サバとポテトサラダのサンド、自家製ベーコンのBLTCサンド、スモークチキンとキャロットラぺのサンド、燻製シャケとポテトサラダのサンド、燻製玉子とスモークチキンのサンド、自家製燻製ハムとカルピス発酵バターのサンドの6種類。
サイドにはチキンピクルス、具だくさんスープ、ドリンクはコーヒー、紅茶、YOGA（アプリコットと洋ナシと桃の3種類の濃厚ジュース）、ビール、グラスワイン。

既にサンドイッチ数品、燻製チキンを使った生姜スープも売切れ。
夕方頃の訪問ですとほぼ選ぶことはできないかもしれません。

スペシャリテの燻製サバとポテトサラダのサンドは1つあり。
失礼ながらお味についてお聞きすると水抜きに時間をかけているのでべちゃっとはしておらず独特のにおいはないとのこと。
性別関係なく人気商品らしく、オーダーはこちらにドリンクはホットコーヒーにしました。

ホットコーヒー

豆はエチオピア イルガチェフェ

オーダー後豆を挽いてくれドリップしてくれるので少々時間がかかる旨伝えられます
コーヒーはカップに注ぐだけというお店もありますが、当店はドリンクも新鮮

香り高く、程よい酸味がありサラリとした飲み口
引きが綺麗なお味です

燻製サバとポテトサラダのサンド

1/3バケットにぎゅっとフィリングたっぷり

構成は下からバター、サニーレタス、ポテトサラダ、燻製サバ、マヨネーズ
サバは国内水揚げ、ポテトサラダとマヨネーズは自家製です

いただくと1口目からふわ～と燻した良い香りが広がります

すぐに感じたのは主体をサバに定めている点
ポテトサラダやマヨネーズはそれに合う様に作られていて細やかさを感じさせます

ポテトサラダはマカロニ、にんじん、じゃがいもにマヨネーズを合わせたもの
ぽってりとはしていない、むしろさらっとしたゆるさのあるポテトサラダで薄味
サバのお味をサポートするポジション

マヨネーズは普通のこってりしたものとは異なり、ドレッシングにもなりそうな深みのあるもので相性抜群
バケットは小麦の甘みが強いフランスパンでパン自体も美味しいです

サバの水分は満遍なく抜けていて残っている箇所はありません
ですが水分はなくてもパサつくのとまた違い、旨みは凝縮して濃厚
特有のにおいに代わり煙を纏った薫香が前にでてくるどちらかと言うと癖になるお味
いただく程に馴染む様な味わいです

 

サンドイッチは店主の細やかさが光り、どうすれば燻製が引き立つかを考え試行錯誤されたお味。
食材によってお味の印象は変わりそうなので、次回はまた違った燻製に出会いたくなります。
燻製で味の幅と彩をもたせ新たなる発見が楽しめる専門店でした。