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懐石料理 はし本

懐石料理 はし本

星2つ半が平均

吉兆ベースの安定したお味と大将が魅力的で楽しく過ごせる空間

2013年オープン、三越前駅からほど近いところにある懐石料理 はし本。
大将の橋本氏は東京吉兆で23年間料理長を務めた方。
通常のコースは昼も夜も同じで、カウンターと個室があります。
平日は毎日営業していますが、土日は不定休なので事前にお電話で確認が必要。

土曜日のランチに訪問させて頂きました。
引き戸を開けると大将の元気な挨拶があり、店内は静かというより少し活気があります。
中央に大将、お弟子さんは若めの男女4人程カウンターから確認でき、ホールでお一人女性がいらっしゃいました。
連携も良く、時々見られるようなお弟子さんを叱責するような所は見られません。
共通して言えるのが皆さん大変感じがいいです。
大将も色々なお話をしてくれ、魅力のある方たちばかり。
これはリピーターがつくわけです、この日も常連様が多くいらっしゃいました。

お料理も大将のご挨拶から始まります。

ザーサイ

お茶請けにもなるザーサイを頂きました。
国産のザーサイをお店で塩漬けしたもの。
浅く漬けてあるので塩辛いこともなく歯応えがしっかりあり、少しピリッとして美味しいです。

先付

胡麻豆腐の揚げ出し
少し寒くなってきたと言うことで、温かい先付。
外側はライトなサクッと感、なかなかはとろとろで滑らかで噛むことがないままに口の中で溶けます。
滑らかさは特出しており、豆腐自体も甘みやコクがあり美味しい。
出汁濃さも丁度よく美味しく、よく合っていています。

椀物

蟹の軽羹仕立て、かぶらと人参
見た目が白く軽羹の形をしています。
中はすり身でなくそのまま蟹の身が入っており、箸を入れるとふわっと蟹の香りがしてきます。
出汁はクリアですが、柔らかさの中に強さを感じます。
かぶらはとろとろですが、少し芯があるところもありました。
蟹のお味は優しく、こちらも美味しいです。

向付

お造りは鯛、縞鯵、帆立。
縞鯵はサクッと歯が入り、脂がのっていて菊の葉と頂いたらいい感じでした。
鯛は歯応えがありさっぱりしていて、鯛の下にはなますがありよく合いました。
帆立は北海道天然モノ、ねっとり甘く美味しい。
器で秋を演出、お醤油は土佐酢をブレンドしたもの、細かいところにも拘りを感じさせます。

八寸

名物の八寸、色とりどりの個性的なお料理が並びます。
揚げ物は揚げたて、最後に盛られサーブされました。

一番左上から
柿のなます
とんぶりとしめじとアボガドの和え物
さつまいもの栂尾煮とトマトのコンポート

中央段左から
ローストビーフ、添え物はさつまいも濾したもの
あん肝と酢味噌
湯葉と出汁ジュレ

下段左から
鶏肉とフォアグラと赤ワイン
鱒の揚げ物
ほやの塩辛

柿のなます
柿の甘さとなますの甘酸っぱさが合っていて不自然さがありません。
食べやすい一品。

とんぶりとしめじとアボガドの和え物
粘り気にとろろ芋を使用してそれがポイントになっています。
サラッと終わりそうなところをアボガドで濃厚さを出しとんぶりよぷちぷちさを楽しめます。

さつまいもの栂尾煮とトマトのコンポート
栂野煮の名前に相応しく適度な優しい甘さと歯応え、トマトのコンポートはデセールかと思わせる程甘く両方共手が込んだ一品。

ローストビーフ、添え物はさつまいも濾したもの
ローストビーフにつけるのはホースラディッシュではなく、さつまいもベースのもの。
なので辛くなくほんのり甘く、ローストビーフは柔らかでにおいはなし、さらっと頂けました。

あん肝と酢味噌
あん肝は柔らかいまではいかず、酢味噌はやや甘め。
ガツンとした濃厚さはないので苦手な方でも頂けそうです。

湯葉と出汁ジュレ
湯葉は箸でちゃんと摘める程度の固形タイプ、出汁は安定の良さです。
濃すぎず薄すぎず丁度よく美味しいです。

鶏肉とフォアグラと赤ワイン
鶏肉はややパサッとしていますがフォアグラが濃厚さを出し赤ワインでさっぱり仕上げています。
ワインの香りの強さは感じませんので、主にテイストは鶏肉とフォアグラ寄り。

鱒の揚げ物
潰し銀杏が添えられています。
揚げたて、サクサク。
塩の新鮮さが残っており香ばしく、お魚の旨さも残っており大変美味しい。

ほやの塩辛
この八寸の中でダントツに強いお味。
ホヤですから当然ですが…イカの塩辛みたいな感じを想像されると良いでしょうか。
お酒と一緒に頂いたらすごく合いそうです。

焼き物

鰆と万願寺唐辛子
鰆はふわふわで火入れが絶妙。
脂も適度に感じられ優しいお味です。

炊き合わせ

鴨肉のつみれ、水菜と里芋、かぼちゃ
こちらもほっとする様な優しいお味。
水菜はシャキシャキ感、里芋とかぼちゃは適度な柔らかさを保ち素材のお味。
鴨肉は少しピリッと感がありアクセントとなっています。
出汁の塩分も丁度いいです。

鯛茶漬けと香の物

お食事は2種類から選べましたが、スペシャリテということでこちらを選択。
ベースは生の鯛と胡麻だけで仕上げているそう。
鯛は乗って提供されるのでかき混ぜていくと火が通った感じになります。
鯛茶漬けで有名なうち山スタイルとは違い、出汁が美味しいタイプ。
深くこっくりとしていてそれでいて塩分は絶妙。
私的には一口目で驚くというよりか癖になるお味でした。

香の物は47年間使い続けた糠床だそうです。
お味はくっきりピリッとしまった大人のお味、素材の歯応えもお味も出てて美味しい。
この香の物を頂くとまた鯛茶漬けが欲しくなる、お味の相性も抜群ということですね。

水物

3種類から選べました、今回は白ワインの果物ゼリー寄せにしました。
果物はメロンとパパイヤとぶどう。
ゼリーは少し固め、白ワインの香りがしっかりしてこちらも大人のお味。
ザバイオーネみたいにかけられたサバイヨンソースは柑橘のさっぱりした香りがして甘過ぎず美味しいです。

お抹茶

ユリ根栗きんとん

大将に「出来立てです」と言われてカウンターを見るとお弟子さんの女性がリアルタイムに作られていました。
出来立ての生菓子は美味しく、甘さ控えめで栗の香りがする上品なお味。
お抹茶も美味しく頂きました。

お醤油や香の物、細かい所にも拘りがあり「はし本」を堪能できました。
大将はお話好きで色々教えて下さるタイプなのでお勉強にもなりそう。
最後は見えなくなるまでお見送りをして頂き恐縮。
1人でも楽しく過ごせ、あまりかしこまっていない懐石料理店です。

 

DETAIL DATA

ico

アクセス、営業時間など

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