真っ白なカレーうどん。大人気のお味はじゃがいも×生クリームのマイルドカレー

2011年オープン、駒沢通り沿いにある「白いカレーうどん」がとても有名な手打ち酒彩蕎麦　初代。

元々は「蕎麦あらこや」として2010年にオープンし、打ち場新設のためにリニューアルし店名も「初代」に変わりました。
この初代ですが現在3店舗あり2009年綱島に「桜庵 初代」を、翌年溝ノ口に「酒彩蕎麦 初代」を、そしてその翌年恵比寿に「手打ち酒彩蕎麦　初代」をオープン。
白いカレーうどんとして恵比寿店が一番知名度が高いようですが、白いカレーうどんは上記3店舗どこでもいただくことができます。

店舗代表は石坂順一氏。
段葛 こ寿々で研鑚を積み、桜庵 初代を開店。
その後圧倒されるヴィジュアルに対してマイルドでいただきやすい白いカレーうどんがヒットとなり現在に至ります。

この白いカレーうどんですが、白の正体はじゃがいもで下層が通常のカレーうどん。
見た目は奇抜ですが、お味はマイルドで食べやすく辛いものが苦手な方にも好評のお味です。

営業時間は夜のみで17時～翌4時まで、今回はこの白いカレーうどんのために訪問。
休日のオープン10分前位に到着、この時点では誰もいらっしゃらず私のみ。
途中で職人白衣を着たにこやかな感じの良い大将が並ぶ場所について説明とちょっとしたご挨拶に出てきてくれました。

開店時間と共にホールのご案内で店内へ。
入店時は3組位でしたが、それからお客様が一気にご来店。

お席はカウンターだけでも10席以上、テーブルと合わせると40席はあるので余裕と思っていましたが実は半分が予約席。
よって開始10分弱で待ちが出て30分後には「2時間待ち」のご案内。
行列では混雑が全く読めないので予約がおすすめです。

お店は店舗デザインも押しの1つとしていて、この店舗は神楽坂EARTH等、現代主流として馴染みやすい西脇一郎氏によるもの。
外観は円筒系を思わせる型にオフホワイト、外からガラス越しに見えるお席が1階のカウンターにあたります。
内部のベースカラーも白で縁に沿って間接照明として効果的にダウンライトで照らされている空間で清潔感有。
入って左奥に階段があり中二階がテーブル席になりそこは喫煙可能です。

カウンター正面には通常鮨店で見る大きな氷室。
その手前が打ち場でタイミングが合えば蕎麦を手打ちする光景がカウンターのアクリル板越しから見ることができるそう。

ちなみに氷室にはその特色を生かす物ではなく普通の食材が入っていて、打ち場横に置かれているお野菜はダミー。
訪問時はお蕎麦のオーダーがなかったため打ち場及び板場は無人、よって総合的に実用ではなくインテリア寄りな印象。
雰囲気は鮨店と日本料理店を合わせたライト和モダンで素敵ですが、やや演出色が強いかもしれません。

お席はカウンター利用、店舗自体がそんなに大きくないので席間隔は狭め。
また椅子がやや低めで、これによってカレーが服に飛ぶ可能性を低く抑えている様でした。

ホールは主に男性お1人。
感じよく効率的にお店を回転させていて、お忙しい中でも私が大きめの荷物を持っていたら率先してレジに預かってくれる気が利く方。

お客様はビジネスマン～若い女性まで年齢層は大体20代～40代が主。
女性でも入りやすいお店作りをしているので男女半々。
皆様のオーダーは全て白いカレーうどんでした。

白いカレーうどん

15分程度でサーブされました
黒いうどん鉢に映える白、口金で絞り出したようなスパイラル絞りをしているのがじゃがいものムース
これが蓋の役割を果たしているため香りはカレーよりじゃがいもが先行

ムースはじゃがいもベースに鰹や鯖、宗田節の出汁に生クリーム加えたもの
いただくと私的にはじゃがいもと生クリームがセンターの温かいビシソワーズに思えました
じゃがいもの自然な甘さがあり、和風ですが生クリームが強いので出汁は印象が抑えられ気味
口当たりはエスプーマにも似た軽やかさがあり口の中で泡のように消えていきます

下層はスープカレーに近い程さらさらなカレー
牛すじカレーみたいなもので、具材はよく煮込まれほろっとなった牛肉とたまにシャキッとした食感を残す玉ねぎのみ
どろっとしたところが全くない為、重くありません
鰹の風味がふわりとし、スパイスを多用しているとのことですがそれは辛さとは直結しておらず辛口ではなく癖のある香りもありません

ポイントとなっているのが上も振り掛けられ、内部からも感じる黒胡椒
けっこう効いていて甘くクリーミーになりそうなところをピリッと引き締める重要な役割を果たしていました
よって刺激をもたらすのが黒胡椒なためカレー自体の主張は弱めです

うどんの固さは店舗によるのかこの時のみなのか分かりませんが、ゆるめでした

ムースを混ぜていただくとかなりマイルドになってカレーらしい辛い感覚はほぼ無くなります

またお味もカレーにじゃがいも風味が追加されるものなので全く違和感もありません
おそらくどなたがいただいても円やかなカレーと答えられるお味をしています

じゃがいもの香りとマイルドさ、甘み、そして追いかける様にさらりとしたライトな辛さが続きます
そこに黒胡椒がさっぱりに仕上げるヴィジュアルとは真逆の食べやすいお味

後味はじゃがいも×生クリームのクリーミーさとカレーの香りの混合
刺激はなく後味まで優しいカレーうどんでした

 

どろっとしたカレーうどんを重く感じる人には相性が良く、私はさらっといただけて良かったです。
辛いカレーが苦手な方、お子様でも召し上がれる程クリーミーで逆にスパイシーなカレーを期待すると裏切られる結果に。

見た目に反して良い意味で万人から支持されるテイストな気がします。

回転は良い方ですが人気店なので待ちは長め。

蕎麦店なので二八蕎麦も楽しめますし、居酒屋の立ち位置でもあるのでアルコールや酒肴も充実。
対応はフランクで居やすい空間です。
列が気になって長居はできませんでしたが、白いカレーうどんだけでなく他メニューでも楽しめる幅を持つお店でした。