世界大会優勝のクラウディアは驚きのお味。毎月のフルーツカクテルも美味です

2003年オープン、渋谷駅から5分程。六本木通り沿いという分かりやすい所にある世界大会で東洋人初優勝を飾ったオーナーバーテンダーのお店、石の華。

オーナーバーテンダーは石垣 忍氏。
日中働きながら夜間の日本バーテンダースクールに通い都内のバーで12年ほど修行した後、2003年に30歳でBar 石の華をオープン。
賞歴は2002年ポーラスターで全国バーテンダー技能競技大会優勝、2005年クラウディアでBACARDI-MARTINI Grand Prix世界大会にて東洋人初優勝と実力はお墨付き。
検索すると紹介文やインタビューが数多くヒットする大変名の知れた方。
カルピスとコラボしてカクテルを発売、SEIKOの腕時計をプロデュースする等多方面でも活躍しています。

メニューは毎月3種類程月替わりのカクテルをリリース。
ラインナップはフレッシュフルーツを使用したカクテルや伝統あるカクテルにオリジナル要素を加え再構築したカクテル等。
限定なのが惜しいと思わせる完成度の高いものばかりです。

休日のオープン時間18時頃訪問。
予約はしていませんでしたが、カウンターに2席程空席有。
ご予約席も多く、18:30には満席になる人気店なので訪問時はお電話の問い合わせが安心です。
お店は地下にありバーにしては明るい方、引き戸を開けるとすぐカウンターが見え奥にテーブル席。

エントランスで荷物を預けカウンターへ。
センターには石垣さん、他にバーテンダーは3人程いらっしゃいました。

バーにはゆったりしたお店と手際のいいお店がありますが、当店は間違えなく後者。
どのバーテンダーも無駄な動きがないのは石垣さん自身に隙がないから。
石垣さんがカクテルを作る姿は素早いというよりシームレス。
途切れることない美しい一挙一動にお客様の視線が集まります。

得意ジャンルはフレッシュフルーツやフレッシュハーブを使用したカクテル。
訪問時シーズン毎に変わるカクテルは6種類程あり、それをベースにして3種類程フレーバーに枝分かれしていてオーナーの引き出しの多さが垣間見えました。
人気はシーズンメニューとクラウディアですが、伝統的なカクテルもよくオーダーされ分散されている印象。

お店の方はどなたも感じ良く接して下さり、私は主に女性バーテンダーの方とお話させていただきました。
産地や作り方のお話をお聞きしたり、メニューが豊富なので選んでいただいたりとバーとしての楽しみがあるお店です。
カクテルは全て石垣さんが作って下さいます。
また、人気店ということもあるので空いている時間帯以外は顔馴染にならない限りは石垣さんの正面のお席に座ったり、お話はまずできません。

評判通り美味しく透明感のあるお味をしています。
甘さはあってもすっきりしていて、軽さがある口当たり。
クラウディアのみは甘みが強いのですが意外性有。
どれもセンスと個性があり、次はどの様なお味が楽しめるのかとバーでは初めて3杯もいただいてしまいました。

チャームはオリジナル。
訪問時はお肉のスープ煮の様なもので珍しい温かいメニュー。
フードも美味しいと言われているだけあり薄味で寒い日にほっとできる良いお味でした。

完熟キウイ×メドウスイートのマティーニ

シーズナルメニューのオリジナル
プリマスジンベース、駒ヶ根産完熟キウイとメドウスイートというハーブを使用したカクテル

カクテルグラスでサーブされました
キウイの粒感から配合量の多さを感じさせます
私はえぐみが苦手なので完熟でも心配がありましたが、全く舌を刺激することはないのは見事

メドウスイートは拘りの自家製

最初はフレッシュなキウイのお味からぐぐっとメドウスイートの香りが頭角を現し、一気に盛り上がりを見せます
メドウスイートはよくヨモギに似たお味と言われますがライムとの配合もあるのか弾ける様な強さがありました
甘さはすっきり、フレッシュの良さを生かした個性がありこちらに訪問させていただき良かったと思えるお味

紅玉×メープルシロップ

甘めのカクテルをお聞きすると月替わりでもうメニューには載っていない紅玉を使用したフレッシュカクテルをご紹介いただきオーダー

真鍮のマグカップでサーブされました

ウォッカベースに紅玉、メープルシロップ、ジンジャービア、トニックを使用したカクテル

紅玉は皮ごと真空ミキサーに入れて色の劣化と鮮度落ちを防いでいます

甘さはありますが、トニックですっきりと林檎のお味に後からジンジャーの辛さがきて美味
メープルなので甘みに柔かさがあり、皮ごと入れた林檎の風味がダイレクトに伝わります

ジンジャーはものによっては強すぎて浮いてしまうことがありますが絶妙な配合量
林檎の質の良さで終わらせない、大人のアクセントを忘れていないカクテル

クラウディア

BACARDI-MARTINI Grand Prix世界大会にて東洋人初優勝を果たしたカクテル

バカルディブラック、マルティーニビアンコ、パイナップルジュース、キャラメルシロップを使用したカクテル

カクテルグラスにライムピールを這わせ、ピンでラディッシュ、チェリー、パインリーフが花を咲かせる様に飾られています

上にトッピングされているのはホワイトペッパーとピンクペッパー

オーダー時、「甘いですが宜しいですか？」と聞かれます

お味は確かに甘口
キャラメルシロップが効いていて、パイナップル香るまったりとした口当たり
そこにペッパーがピリッと尖った刺激を与え目覚める感じに
粗挽きのペッパーを噛めばキャラメルと交わり甘さと辛さがぶつかります
辛さはこのペッパーのみ、ベースはかなり甘め
ですが甘さがあるからこそペッパーとのコントラストが鮮明になっている様でした
バランスをペッパーでとるという斬新ですがマッチしていて、よくこの組み合わせを完成系にもっていったと驚くお味

お酒としての癖は少ないので弱い方でもいただけそうです

「こんなカクテルのんだことが無い」と言われた世界一のカクテル、甘いのが苦手でなければ唯一無二なのでおすすめです

 

どれも美味しくいただけ、レシピの幅広さにはただ驚くばかり。
また、お値段は各1500円程度とかなりお安め。
噂に違わずオリジナリティと才能を感じるお味で是非またリピートしたいバーでした。