茶亭 羽當
星2つ半が平均
濃厚で重みのある3年熟成のオールドビーンズがネルドリップ抽出でいただけます
1989年創業、渋谷駅13a出口から30秒程明治通りから脇道入ったところにある知る人ぞ知る珈琲の名店茶亭 羽當。
あのブルーボトルコーヒーの創始者ジェームスフリーマン氏も絶賛したと言われ対談インタビューの記事を拝見したことがあるほどです。
木のドアを開けると、光量は落とし過ぎずエントランスからアンティーク空間が誘われ奥に進むと長いカウンターの松一枚板、中央テーブルには大きなアレンジされた花々が視界に入ってきます。
棚にはお客様に合わせて選定すると言われるカップが所狭しとかなりの数が置かれていました。
お水は全てアルカリイオン水、オーダー後豆を挽き抽出するので提供までは時間がかかります。
抽出は2タイプあり、羽當オリジナルブレンドはペーパードリップでオールドビーンズはネルドリップとなります。
今回はオールドビーンズがいただきたく訪問。
休日の15時頃、並びがでていました。
程なくしてカウンターに通されましたが、スタッフは皆さんとても忙しそうで話しかけるのが申し訳なくなってしまう程ですが感じは良いです。
店内は満席にしては静かで、空気は淀んでなく室温は適温、喫煙者の方は数人いらっしゃいましたが空調がとても良く全く気にならず珈琲の香りが勝っています。
基礎的なことですが、しっかり環境が整っているお店は少ないのでとても快適でした。
お客様の年齢層はとても広く、外人のお客様もいらっしゃり英語表記メニューもあるほど。
カウンターでお話させて頂いたのは偶々店長の田口豊志さんでした。
雰囲気を持っている方で柔かな表情、とても腰が低いので良い意味で老舗珈琲店の店長さんだとは思えません。
偉そうな言い方をすれば初心を忘れずお客様と向き合う、この方の接客を受けて嫌な気分になる方はきっといらっしゃらないはず。
オールドビーンズとは、生豆を3年間寝かせて深煎りにしたもの。
サイズはデミタスで五番町と楡があり楡の方が苦味が強いとのこと、初めてなので五番町を選択。
通常は15分程、混みあっていたので30分程かかるとのことでした。
珈琲以外にもシフォンケーキも好評。
7種類程あり人気はメープルと抹茶、珈琲に抹茶とは珍しいと思いシフォンは抹茶に。
抽出に時間がかかるので、追加で先に水出し珈琲をいただくことにしました。
アイスコーヒー
深いカラー、香りはふんわりきますがいただくとその深さに引き寄せられます。
ビターチョコレートの様な深い味わいと苦味は徐々に増してきて大きくなり、終始苦味を楽しむアイスコーヒー。
酸味は感じず、引いてはまた苦味が寄せ返し余韻は馥郁たる深い苦味、大人向けのテイストでこの香りを楽しむ為にシロップ等は入れないでいただきました。
池袋の珈琲蔵は飲みやすい印象、こちらはゆっくりといただきたいタイプです。
五番町
田口店長が「お待たせしてすいません」と仰ってサーブしてくれました。
デミタスですが零れる程注がれています。
香りは凄く強いかなと思っていましたが、熟した香りがライトに伝わります。
終始とろりとした苦味と濃厚さが際立ち、強さと重みがありますがただ前に出てくるのではなく重厚感のある強さと重みがあります。
苦味で終わると思いきや不意にライトな甘みもある奥深い考えさせられるとても満足のいく珈琲でした。
シフォン抹茶
シフォンらしく大きめ、外側にはフレッシュな甘さ控えめの柔らかいクレームシャンティ、所々に小豆入り。
シフォン専門のラ・ファミーユの生地に比べるとふわふわ感は劣りますが、かなりレベルが高く美味しいです。
最初はあまり抹茶感は感じませんでしたが経過に連れて抹茶そのものと苦味が香ります。
作られた感の苦味ではなく深さもありますが、深すぎず珈琲のお味を邪魔しないベストな抹茶の引き出し方。
五番町との相性はとても良く、シフォンなので重くもなく美味しくいただきました。
お会計は田口店長、感想を伝えると再びお待たせしてすいませんでした、と言う言葉と柔らかな笑顔に見送られお店を後にしました。
渋谷の中心でこんな良い喫茶店に出会えるとは思いませんでした、ディープに味わいたい時また寄らせていただきたいお店です。
DETAIL DATA
アクセス、営業時間など
- 【店舗名】
- 茶亭羽當
- 【住所】
- 東京都渋谷区渋谷1-15-19
- 【営業時間】
- 11:00~23:30
- 【定休日】
- 年中無休