円やかな苦味と美しい余韻が楽しめる喫茶店

新橋駅から虎ノ門駅へ行く外堀通りという大通りに面していながら隠れ家的なエントランスが印象的な草枕。

暖簾を潜り入店すると、縦に長い造りで奥にカウンター、テーブル席は5つのウッド空間。
壁際とカウンターに置かれている本は美術やワイン関係。
ペンダントライトで照らされる店内の光量は抑えられ、カウンターに置かれたターンテーブルから流れるBGMはクラシックとその世界観からここが本格的な珈琲を提供するところだと分かります。

平日の15時頃訪問、テーブル席、カウンターにお客様がいらっしゃり皆様落ち着いた雰囲気の方々。
接客は女性、カウンターに物腰柔らかいマスター。

店内は静かで常連様はカウンターでお話をされていらっしゃいました。
暗めではありますが、螢明舎や移転されてしまいましたが猿楽珈琲程は暗くありません。

メニューはゴシック体で印字された一枚で、こいめ、ふつうめ、うすめ、デミタス等が書かれているシンプルなもの。

珈琲はロースターでの自家焙煎、ネルドリップにて淹れてくれます。

私はネルドリップ好きで以前からここのお店の評判は聞いており、某サイトで珈琲に大変詳しい方の評価も良いので期待できます。

こいめ 20g 100cc

オーダーしてからマスターがじっくり丁寧に淹れてくれます。
ある程度待っているとクリアで深い色の珈琲が大倉陶園のカップでサーブされました。
いただくと円やかな苦味、私は酸味が強すぎるのは苦手なのですがネルドリップの良さも十分に出ていて癖がないので濃いのが苦手な方もいただけると思います。
その苦味の後にはフルーティーさも感じられ、後味は瑞々しく、残り香は仄かに上品に長く続きとても美味しいです。
優しいアプローチで、見た目通り透明感があり余計なお味はしません。
じっくり淹れられたものなので温度は低めで香り立ち、これをいただいて以前某イタリアンで火傷するかと思った珈琲をいただいたことを思い出しました。。。

最後にマスターと少しお話をさせて頂きました。
評判通り良い方、感想を伝えるととても嬉しそうにして下さるので一言感想をお声かけしても良いかもしれません。

こちらのお店は雰囲気、鼻腔に抜ける珈琲の香りが気持ちを優雅にさせてくれます。
一人でも多くの方に知っては頂きたいですが、ご来店時はお静かに。
テーブル席も2名様を想定されていますので、来店は1名か2名様がおすすめです。

お店を出た後も綺麗な珈琲の香りが続き、良い一時を過ごさせていただきました。