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辻留

辻留

星2つ半が平均

格式の違いとお料理の奥深さ、圧倒されます

1899年創業、裏千家の懐石料理をあずかる超名門、辻留。
三代目主人辻義一さんは、あの北大路魯山人の元で修行をされ、使われる器や掛け軸も魯山人の物が多く使われています。

京都店は基本出張料理ですが、グランドプリンスホテル京都でも予約すれば頂けるそうです。

常時名門の懐石料理を頂けるのは赤坂のみ、お店は地下にあり気をつけないと見落としてしまいます。
個室のみであり、1人利用でも個室となります。

エントランスには水の音が微かに聞こえ上品さと深さがあり戸は引戸、最初に女将さんのご挨拶と日本茶が出されます。
柔らかいお味で、温度も適温。

全てに置いて圧巻、器、お料理、派手さはないものの真髄を感じさせ、その歴史感から雰囲気に飲み込まれそうなります。
「行ってみたい」という思いだけで行ってしまい、自身の経験値の低さを痛感したのが辻留でした。

【向附】

サーモンとアボガド、アワビ
ふっこの洗い

フッコ(関西ではハネ)とは出世魚鱸のことで、60cm程度までのことを指します。
それ以上になると成熟魚となり鱸になり、また30cmまではセイゴとなります。

フッコは跳ね返るような素晴らしい弾力があり、歯応え抜群。
フッコ本来の甘み、後味はかなりさっぱり。
活け締めにしないと素晴らしい歯応えにはならないと聞くので恐らくそうなんだと思います。
新鮮さがあるミョウガや大葉と一緒に頂くと更に美味しさが上がります。

お醤油は丸みがあり大豆の香りがしっかりします。

くどく無いサーモン、アワビは柔らかめのいい歯応え、もちろん癖はありません。
塩加減は薄いめ。

強くは主張してきませんが、後から思うとシンプルでありながら奥が深いことを感じさせる向附です。

【椀盛】

ゴチと豆腐のお椀

程よい生姜の香りと薄味の中に出汁の深み、ゴチの旨さに痺れます。
淡泊な白いゴチは見離れはほろっとしており、柔らかく、心まで暖かくなるような椀盛。
薄味ですが、出汁の余韻が続きます。

【煮合わせ】

鰻と蓮根の蒸し物

鰻からは、炭焼の香りと余計な油が落ちていますが、ちゃんと鰻の旨さが生きています。
甘く弾力のある鰻、とろみのある出汁と蓮根はサポート役、上品さを感じます。

【焼物】

鱧、万願寺唐辛子、車海老の天ぷら

万願寺唐辛子は甘味が強く、鱧は外側がサクッと甘味もあり大変美味しい。
海老はそこまでサクッとしておらず、中まで火がしっかり通っているタイプ。
ここは深町の方が印象的でした。
つゆは甘味のある薄味。

【進肴】

たこときゅうりと酢の物

器はちゃんと冷えており、しょうがの爽やかな香りがします。
蛸は箸で持ち上げた時から分かる柔らかさ、中心部はやや生に近い絶妙な茹で加減でした。

【お食事】

鱧皮ご飯、留椀は八丁味噌のお味噌汁、香の物

鱧皮は炭焼きの香りと弾力、大葉と白ゴマが効いており美味しいです。
鱧皮と言うと調理法を考えても気が遠くなる作業・・・鱧の美味しさを存分に生かした素晴らしいお味。
こちらが一番お味がはっきりしていました。

お味噌汁はこっくりとした赤味噌、お麩はむっちりとした歯応え。

香の物は、沢庵は塩が効いているタイプ、ナスは浅漬け、葉山葵は食べやすいタイプでした。

【お茶菓子、お抹茶】

上生菓子は、こし餡でお茶菓子としてはかなり甘味は控えめ。
お抹茶は生菓子頂く時間を考慮し、やや後に運ばれてきます。
仲居さんのお作法を拝見し、お抹茶を提供されます。
抹茶は淀みなく、深く美味しかったです。

 

最後は大女将がご挨拶に来て下さり、背筋が伸びます。
大変綺麗な方で物腰は柔らかいのですが一本通っているものがあり、凛としておられます。
男性だとお1人で来られる方も多いそう、後は世間話等をさせて頂きました。

最後は渋めのお茶が運ばれてきます。

総じて日本の美を感じる空間であり、一見地味に見えるところもあるかもしれませんが大変奥深いです。
素材だけの点で見ると2万円弱と聞くとお高いと思われるかもしれませんが、経験、味覚のリセット、そして自身の足りなささを知る為にももっと色々勉強してまた伺いたいです。
日本人なら是非一度は触れて頂きたい空間です。

DETAIL DATA

ico

アクセス、営業時間など

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