人気のフルーツポンチは旬のフルーツがぎっしり、香り生かすシロップが美味しいです

1884年創業、現在神田と本郷にお店を構えるアップルパイとフルーツポンチが人気の近江洋菓子店。

初代が炭屋として本郷にお店を構えたのが最初で、それからパンとどら焼きなど和菓子の製造を開始。
2代目がアメリカで修行をしてケーキ作りを始め、現在は4代目となっています。

スペシャリテはりんごがぎっしり詰まったアップルパイ。
シーズンによって入る果物が変わる大きな瓶のフルーツポンチも雑誌などで紹介される人気商品です。

神田店と本郷店は外観、内装共に良く似ていて区別がつかなくなる程。
正面はガラス張りで天井が高く、店内は飾り立ててはおらずゆとりを大事にした空間。
今ではあまり見ない配色のネイビー系の天井、石造り柄タイル床、レトロなテーブルやチェア。
配色、インテリア全体から昭和を彷彿とさせる造りとなっています。

入店すると右に大きなショーケース、左側はパン販売スペース。
ショーケースに並ぶのは人気のアップルパイやショートケーキ、フルーツポンチ等懐かしい洋菓子が中心で等間隔を多めとったレイアウトで今時の華やかなショーケースではありません。

包装は懐かしい可愛さがあるラッピング、ヴィンテージ系の外装紙袋。

全てからレトロを感じさせ、流行りを取り入れることを避け雰囲気をそのまま残す一貫性のあるお店です。

お菓子の見た目は綺麗さがあったり色彩豊かだったり、ムースやプリンに使われているカップもストレートなプラスチックで洒落っ気はありません。
正直もう少し可愛い方が・・・と思っていたらHPに「近江屋の菓子は「わっ、きれい」とか、「カワイイ！」というものではないかもしれません。」との記載があったのでお店が方向性を示したもののようです。

今回は神田店に訪問。
時々やや接客が気になるというのを見たことがありますが、私が実際利用させて頂いた時は感じの良いものでした。

平日の11時前に来店、フルーツポンチを購入したかったのですが販売は13時からという説明書きがショーケースに出ています。
せっかくなのでホール責任者らしい落ち着いた年齢の女性に質問すると丁寧に教えてくれました。

・フルーツポンチは大体13時から販売、日によって14時の時も有
・偶に予約分で終了することがありその場合は並ばないので前日～当日予約が確実
・日曜日の販売は行っていない

時間だけ確認しようと思っていましたら「説明でお時間を取らせて申し訳ありません」と仰って全て説明してくれました。

後日お電話でフルーツポンチを自宅用として当日予約し夕方頃訪問。

お店では購入したケーキをカフェエリアにてフレッシュジュースのドリンクバーセットでいただくことが可能。
私自身はいただいてはいませんが少し薄めとの評判も。

フルーツポンチとスペシャリテのアップルパイを1カット購入。
雨の日だったのでお手提げにも気を使って下さり、袋詰め時アップルパイは柔らかいので潰れない様にと伝えてくれにこやかな接客でした。

アップルパイ

ベイクしていただきました

ずっしりとしていて、りんごが零れ落ちる程入ったアップルパイ
りんごは基本フジですが9月末～12月まではつがる、時期的に今回はフジでした
煮崩れを起こさないギリギリの柔かさ、りんごの糖度と加糖でかなり甘みが強めでセンターらしい印象深さを出しています

生地から香るのは原価が高いカルピスバター
コクはありますが塩気は少なく円いお味
底は薄めなので作り立て以外はりんごの水分でふにゃっとしてしまいます
外側は打って変わってけっこうしっかりしていて、外はサクッと中はもちっとしたデニッシュ系のパンをイメージするテイスト

シナモンの香りがなく、余計な物を入れていないベーシックなお味
過度さはなくてもりんごも存在感はしっかり、モダンさよりも昔ながらの基礎を大事にされた作りなので苦手な方は少なそうです

フルーツポンチ

お値段は2800円程度なので少しお高めかなと思っていましたら想像以上に大きなプラスチック瓶でパンパンに入っています
季節によって使用する果物が変わり、私が購入したフルーツポンチに入っていたのは、パイナップル、桃、スモモ、マスカット、ぶどう、オレンジ、キウイ、バナナ、グレープフルーツ、梨、メロン、栗とかなり豪華
ザクッと大胆に切ったフルーツは本来のお味を残し、スモモは酸味が強めでしたがメロンは熟していて、栗が入っているのは意外でしたが甘く質はしっかりしたものでした

シロップは複雑に混じり合ったフルーツの香りを生かしたさらりとしたお味、甘み控えめでいただき易く中々良いです

フルーツポンチというとリーポールも有名ですが、比較するとこちらの方がナチュラルで季節感を感出しているフルーツを大事にしたお味
フルーツのカラーは華やかですがプラスチック瓶は地味め・・リーポールにはお洒落感では劣ってしまいますが、中身は質とバランスに拘った作りでぶれがなく贈り物としても適しています

賞味期限は5日程度、大きめにカットされたフルーツの利点として日が経つとシロップが更に行き渡りお味の変化がある楽しさに幅を持たせたフルーツポンチでした

 

派手さはなくても実直、老舗のプライドと良い意味で変化を好まず歴史を重んじています。
アップルパイ、フルーツポンチ共に主体は何かをはっきりさせた正統派、演出をせずそのものを前に出してくるお味。

接客も安定、しっかりした対応なので安心して訪問できるお店でした。