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釜竹

釜竹

星2つ半が平均

石蔵で日本庭園眼前でいただくうどん。酒肴、お酒も充実しレベルも高い寛ぎ空間です

2005年オープン、1番出口より5分程。言問通りから一本入ったところにある釜揚げうどんとざるうどんだけで勝負する石蔵造りの釜竹。

母体は1985年創業の大阪羽曳野にあった人気うどん店釜竹。

現在の釜竹・羽曳野は現在ありません。
うどんを打つというのはとても体に負担がかかるもの。
「体力の限界」という言葉と「お客様と出会って良かった人生でありました」と絞められたお人柄をしのばせる文章を残し2014年に惜しまれつつ閉店しました。

釜竹・羽曳野が無くなる前ですが、お店のお味を都内でも広めたいと大将の息子さんがお味を継承、店主としてこの地にオープン。
今では釜竹を楽しめるのは大阪ではなく根津となり関東系にアレンジされているとも聞きますが、釜竹・羽曳野をご存じの方はほぼ同じとのこと。

また当店の特徴は大将が利き酒師でもあることから、他のうどん店と違い日本酒、ワイン、梅酒などお酒のお取り扱い幅が広くセンスが良い点。
酒肴も種類豊富でどれもレベルが一定以上。

確かにベースメニューは釜揚げうどんとざるうどんだけ。
ですが、私的にはお酒、酒肴やの内装、総合力で勝負するお店と言った印象です。

また、釜竹・根津で外せないのはお店が石蔵造りということ。
この石蔵は1910年に造られ、個人邸宅の敷地内の一角にありそれを改装したもの。
設計は隈研吾氏、2006年に文京区の都市景観賞を受賞しています。

この個人邸宅の敷地全てが2003年前後に売却が決定し、再利用事業として石蔵は釜竹として、木造家屋は老人ホームとして再利用されることとなりました。

根津・釜竹は認知度も高く当店は休日には1時間以上待つことも珍しくない人気店。

平日のお昼頃訪問。
竹が光を受けて細やかな影を造り出すアプローチを抜け店内へ、待ちは出ていませんでしたが9割程度の埋まり。
お客様は30代以上の方が多く、うどん店特有の忙しさはなくゆったり召し上がっていらっしゃいました。

お店には適度なBGMがかかり厨房からうどんを切っているリズミカルな音が聞こえてきます。

エントランス入って左側は全面ガラス張り、広がる日本庭園。
初夏には青々しさ、秋には美しく染まり、冬には雪景色を楽しめるというお庭。
オフシーズンでしたが雰囲気は素晴らしいものでした。

そのお庭を正面に臨む形で10名掛けのテーブル席。
お1人様ですとこのテーブル席利用となります。

エントランス入って右側は石蔵。
太い梁が何本も見える立派な石蔵内部でお食事をすることができ、薄暗く重厚感のある空気に包まれていました。
こちらは複数名用となり、お1人様ですと相席となります。

全体的には雰囲気は端的に言えば黒を基調とする瀟洒な和モダンです。

お味につきましては評価が分かれます。
うどんについては、コシがあるという方と硬いだけという方。
つゆについては、塩っ辛くなく良い濃さという方と出汁が薄いという方。
いただいた感想としては仰ることがよく分かるお味で個性があるうどんということだけは間違えがありません。

接客はミドルエイジの女性が主なので落ち着いていて、気配りがあり丁寧で良好です。

うどんはざるうどん、太打ち、細打ちがあり細打ちで、10食限定の胡麻豆腐、天ぷら(車海老1尾 季節野菜)と完熟マンゴー梅酒を選択。

完熟マンゴー梅酒

飲みやすく度数もあまり高く、ライトな口当たりで女性が喜びそう
名前通り梅酒が入っているのでマンゴーそのものという感じはありません
柑橘系も入っているのか爽やかさもあり、甘みは円やかでした

胡麻豆腐

350円とお手頃でサイズも小さくいただきやすい胡麻豆腐
10食限定、人気なのですぐに売り切れてしまうそう
胡麻が配合量が多いので粘りがあり、香り高く、中々美味しいです
自然な甘さもありお醤油で風味が更に良くなりました

天ぷら

お塩でいただきます

お皿には海老、さつまいも、舞茸、蓮根、茄子、インゲン
サクサクとした食感でべっちゃりはしていません

さつまいもは特にパサつきはありません
舞茸は甘く、茄子はやや硬く水分の閉じ込めが弱かったですが850円で量もありますし満足できる出来栄えかと思います

ざるうどん

細打ちはメニューではかなりお時間がかかるとのことでしたが、実際は15分程で供されました
見た目美しく満足できるたっぷりとした量、薬味は別皿で生姜、ネギ、揚げ玉でこちらもたっぷり用意されています

コシについてですが、私的にコシがあるというと跳ね返る様な弾力があること
店舗で言えば丸香や一福、蔵之介

こちらのはそうではなく噛み応えがあるうどん

よってこれをコシと表現される方と硬いと表現される方に分かれるポイントな気がします
前者のグループをコシと言うのであれば釜竹は違うのでしょう

柔らかくだれているうどんではありませんので弱くはありません

うどんは塩気がわかるお味

ちなみに細打ちよりも太打ちの方がさらに噛み応えがあるそうです

つゆ

つゆは元々が大阪ということで淡色、やや甘めですが醤油としての塩分はあります

柔かなお味とも言えますが、強さがないとも言えます
少なくても関東の様なキリッとしたお味ではありません

辛くはないのでいただきやすい一方で濃度は関係なくシャープなお味が好きな方は物足りなく感じそう

こちらはかえしを使用していません
関西ならもっと出汁を効かせて複雑性が欲しいと言われるのもこの点もあるのかもしれません

鰹節の香りと甘さがあるので薬味を入れてアレンジしたいところ
私は生姜をけっこう入れていただきましたら良い感じになりました

ちょっとではなく、たっぷりつけたくなる個性のあるつゆです

 

うどんが思ったよりも量があったのでお腹いっぱいになりました。
釜揚げうどん、ざるうどんだけでなく他のメニューを合わせ、庭園の和を感じながらゆっくりと過ごす大人の空間。
うどん店というといただいてすぐ退店するイメージでしたが、こちらはお食事する楽しさがあります。

人気店なので続々とお客様が入店されてきてすぐ待ちができる状態に。
あまり混んでいなければ1人でゆっくり、ご友人とお話しながら過ごされても素敵な時間を過ごせるお店でした。

DETAIL DATA

ico

アクセス、営業時間など

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