とり煮込みそばが断トツ人気。鶏の濃厚な旨味からくる甘みに驚きます

1963年創業、六本木通り沿いから1989年に現所在地に移転オープン。六本木駅5番出口から2分程。特製とり煮込みそばが絶大な人気を誇る香妃園。

由来は清王朝時代絶世の美女と謳われた「香妃」から。
六本木中華＝高級で特別な日に利用する・入り辛い、いうイメージを抱かれがち。
こちらは高級料理もありますが単品でリーズナブルに楽しめて、内装は昭和の香りが残るカジュアルで入りやすいお店です。

六本木で食後の〆といえば「香妃園の特製とり煮込みそば」と言われる程有名な当店。
二軒目、三軒目で来店される方が多いせいか、定休日はなく平日・土は朝4時まで営業しています。

以前から気になっていた特製とり煮込みそば。
〆ではなくお食事として平日の20時過ぎに初訪問です。

お店は六本木通りから一本入った角地の2階にありました。
店内は7割程埋まっていて、サラリーマンや20代の女性、40代位のご夫婦等年齢層は幅広いです。
お席は全てテーブル席、卓数は分かりませんでしたが席数は100以上とあるとのことでかなりの大箱。
ホールの方々はベテラン揃いで男女問わず黒服の蝶ネクタイとノスタルジーな制服。
蝶ネクタイ黒服マダムの接客はキレがあり恰好良いのが印象的で、皆様丁寧な接客をして下さいます。

面積は広いので籠りはしませんが全席喫煙可、なんとなく昭和の喫茶店を利用させて頂いている様な雰囲気と香りです。

ドリンクは温冷どちらかのジャスミン茶、香り高く芳ばしくすっきりしていて良いお味。
特製とり煮込みそばをいただくならアイスが合います。

メニューを開くと数の多さに驚き。
ルビが振られていたので最終ページまで進むとその数なんと226種類。
回りのお席を見回すとお客様の8割方が特製とり煮込みそばを召し上がられています。

シェアしても良さそうな位量がありそうなのでオーダーは特製とり煮込みそば単品にしました。

特製とり煮込みそば

白い土鍋に入っていて、取り分ける小皿がついてきました

白濁のスープからは鶏の香りが迫るほどに立ち上り、表層にはコラーゲンの膜ができ出汁の強さを物語ります

スープはややとろみがあり、じわっと鶏の深みが広がり塩は適度、余計な味付けをしていません
出汁は鶏を肉だけでなく骨からも満遍なく時間をかけてとったお味
全ての部位を凝縮した様な濃厚さで旨みの強さからくる甘みには驚きました
鶏特有の臭みはありませんが、におい消しとしての薬味は前面に出てはおらず鶏のコラーゲンスープをダイレクトに味わえます

ほろほろになるまで煮込まれた鶏肉にお野菜は小松菜のみ、とてもシンプルですが奥深い味わいです

麺はかんすいを使用していない特別なもの
煮込まれているので柔かですが、お味がよく絡み、染み込んでいるので弾力は楽しめずとも美味しさがありました

スープはいただき始めると止まらないと評判で、実際いただくと鶏本来の甘みを少しも逃がさず閉じ込めたお味に確かに止まらなくなります
鶏のお味が強くても円みがあり塩気もきつくありません、他のお店ではないスープなので人気なのも頷けます
土鍋なので最後まで熱々、思い切り美味しいコラーゲンスープを楽しめました

 

複雑にして素材を弱めることはなく、最低限のお塩や昆布程度で鶏のお味をストレートに表現してくる特製とり煮込みそば。
欠点を補い長所を余すところなく推してくる潔い美味しさがある衰えない人気を誇る中華料理店でした。