鳴龍
星2つ半が平均
ミシュラン獲得の坦々麺は辛さに頼らない深みのある味わい
2012年オープン、大塚駅より7分程。都道より住宅街に入った所にある日本で2店舗目となる星付きのラーメン店鳴龍。
スペシャリテは担々麺。
今までの概念を覆す辛さだけではない、酸味と甘味の好バランスに牡蠣などの和を織り交ぜた他とは一線を画すと評判になりミシュランにまで上り詰めました。
店主は斎藤一将氏。
今は無き柳麺ちゃぶ屋で研鑽を積み、表参道MISTで店長を勤められ2012年にオープン。
開店当初から順風満帆という訳ではなかったそうですが、徐々に人気店に。
ミシュラン獲得前から坦々麺は知られた存在で獲得するのでは言われていました。
店名鳴龍の由来は日光東照宮の天井に描かれている「鳴き龍」から。
真下で手を打つと龍が鳴いた様な声が返ってくる反響音をお客様との共鳴に例え、共感していただけるラーメンを提供していきたいと願いを込めたそう。
私は然程辛いものはいただきませんが気になっていた当店の坦々麺を平日のディナーオープン時間ちょっと過ぎに訪問してきました。
開始15分過ぎに到着すると既に15人程の行列、ミシュラン効果か外人のお客様も多くいらっしゃいます。
お店に通されるまでのお並び時間は約1時間でした。
案内された店内は清潔感があり、入ってすぐがオープンキッチン、センターに斎藤さん、奥様、男性スタッフお2人の4人体制。
店内は清潔感がある、モダンなインダストリアル系。
スタッフの皆様は親切で、常に満席でも私の食券機でのお釣りの取り忘れもすぐに気付いてくださいました。
お席はカウンターのみの10席程度、間隔はあるので狭い印象はありません。
オーダーのサーブは斎藤さん自らカウンター越しに行ってくれます。
斎藤さんと奥様は手際よくオーダーに対応していかれますが、どんなに忙しくてもお客様が立たれる時はアイコンタクトで「ありがとうございました」と1人ずつ笑顔で必ずお声がけする姿が印象的でした。
メニューは塩ラーメンも好評ですが、やはり今回のオーダーは坦々麺、トッピングで味玉を選択しました。
◆担々麺
麺はストレートの卵中細麺、やや硬めのパッツンとした食感
ちなみに塩ラーメンに卵は含まれていないそうで計4種類の麺を使い分けているそうです
スープはあまり辛くないとお聞きしてましたが、辛いものをいつもいただいてない人にとってはきっと最初の一口目は刺激を感じます
私にとっては想像していたより辛い印象でしたがそれが後半に従って変わっていく様は新しい経験でした
スープのお味自体はしっかりしていて、動物性の丸鶏と和の昆布や椎茸が合わさっていますがどちらにも傾き過ぎません
牡蠣が使われていることでも有名ですが、風味ではなくコクで反映させています
下層にレンゲを落とすと、自家製の芝麻醤が効いてきて胡麻の風味が強くなりカシューナッツの存在に気付きます
ナッツの量は多くカリッとしたアクセントと共に、辛味を和らげマイルドに
担々麵と言うと強さで押してくるものが多いですが、こちらは辛味と甘味、そしてライトな酸味が加わり上品な仕上がり
一辺倒ではなく、麺のスープというよりお料理として完成されたお味でスープ単独としての美味しさがありました
ギミックで和の素材を入れているからか、添えらたえた九条ネギも自然なので後から通常九条ネギはつかないことを思い出した位です
甘くとろんとした味玉トッピングも良く合い、こちらも高相性
いただいた後はぽかぽかしてきて、気付いたのはヒリヒリしないこと
辛いものをいただくと口の回りが痛くなってしまうのですがそれがありません
麺の量はしっかりあり、スープもよく絡むので最後まで麺とスープのハーモニーを楽しめました
和の入れ込みの巧みさは秀逸。
独自の世界を奇抜にではなく自然表現しているので、新しくてもしっくりきます。
ヘビーさはなく品がある担々麵、ミシュランに相応しい綺麗な世界観をもつ鳴龍の担々麵でした。
DETAIL DATA
アクセス、営業時間など
- 【店舗名】
- 鳴龍
- 【住所】
- 東京都豊島区南大塚2-34-4
- 【営業時間】
- 11:30~15:00 ┃18:00~21:00
- 【定休日】
- 火 不定休