フルーツカクテルはシロップ不使用、自然の甘みを生かす本格的オーセンティックバー

2010年オープン、赤坂駅1番出口より2分弱、メインストリートから一本入った雑居ビルの4階にあるカクテルのレベルに定評があるバーキサラ。
元々はkisalaというレストランでバーに特化したお店へとリニューアルしました。

お昼は珍しく14時から営業。
エレベーターで4階へ向かうのですが少しガタガタしていて最初はちょっと大丈夫かと心配しましたがお店はしっかりとしたオーセンティックバー。
光量を落とし、蝋燭の炎が揺れジャズがかかる店内。
お席はカウンター8席、奥の窓側にソファー2席程度。

休日の14:30頃、早いのでお客様はいらっしゃらずお席はマスター正面のカウンターを選択。

店主は橋詰浩さん。
お話上手で、当たり前と言われてしまいますがカクテルだけでなくウイスキーの歴史等その知識の深さと言葉の流暢さに圧倒されました。
ウイスキーの樽のお話まで色々教えて頂き、飲めない私は知識がなく反省。
私の知識の乏しさにお気づきになっていたようですが、それでも丁寧に教えて下さる姿はとても嬉しいもの。
初心者1人でも楽しめる空間を届けてくれ、気が付いたら2時間近く滞在していました。

フルーツカクテルは余計なシロップは使用せず、フルーツの自然な甘みと香りを引き出すことで人工的な甘さや香り、舌に残る感じがありません。
弱めでお願いするとお味自体が薄くなってしまうバーも多いのですがこちらのは全くなく、お酒に弱い方でも美味しいカクテルを楽しむことができます。
リキュールの扱いが絶妙で弱すぎず強すぎず、美味しさを保ちながらリキュール濃度をお客さんの反応を見て細かく変えているよう。

1杯目は弱め、2杯目は少しだけ強く、食後酒は私の嗜好に合わせて貴腐ワイン。
最初の1杯をいただいた時から「そう、こんなお味のカクテルがいただきたかった」と思わせてくれました。

インテリアにも拘られててフランクロイドライトのタリアセンが目を引き、グラスも60年以上のアンティークバカラ等大人の嗜みを知っている方向けのお店。
オールドインペリアルバーの若手が飲みに来られるそうで、私に深いバーの知識があればより深く楽しめたことでしょう、もっと知識をもちたいものです。

桃のカクテル

フルーツカクテルを希望したところ、シーズンの桃をおすすめ頂きました。
桃をすりおろし、エルダーフラワーリキュールサンジェルマン、トニック、ライムで香りをつけたカクテル。
エルダーフラワーの複雑な香り、フルーティーさと桃のフレッシュさが特徴の女性向けのお味。
本来はジンも入れるらしいのですが、弱めをオーダーしたので割愛。
ですが、物足りない感はなくバランス良く余計なものが入っていない桃の香りと甘さがクリアに伝わるピュアなお味、とても美味しいです。

パッションフルーツとオレンジのカクテル

とても美味しかったので2杯目をオーダー、今回は甘さを控えたパッションフルーツベースのカクテル。
生のパッションフルーツを押しつぶし、オレンジジュースとラム、トニック（もしかしたら少量のシャンパンだった可能性も有）のカクテル。
カクテルグラスの下にはパッションフルーツの種がいっぱい入っていて、グラスにも果肉が浮いています。
香り、お味共に夏を感じ種の食感が楽しく、パッションフルーツはもちろん酸っぱいですが、オレンジで円みをもたせているので酸味が強すぎることもない丁度良い甘さと爽やかさが効いたお味。
まるでサンセットビーチに居る様な感覚を届けてくれました。

貴腐ワイン シャトーネラック バルサック

カルトンに置かれたお札の重しの様にお洒落にさり気なく供されます。
バカラのリキュールショットグラス、エリザベートの美しさに目を奪われます。
知識では知ってるものの実際見ると本当に綺麗、ワインは1996年もののシャトーネラック バルサック。
深い琥珀色に熟成された香りと円み、凝縮されたお味で最後まで良い余韻を残してくれました。

 

レベルがしっかりしていて、どれも美味しくいただきました。
主にお昼利用の私はホテルのバーが殆ど。
色々お話をお聞きすると、ホテルのバーは色々しがらみがあり思った様なテイストにはできないこともあるそう。
そんなマスターの優しさと笑顔、深いお話が印象的。
お味も大変良くお会計は3000円、また是非伺いたいバーに出会いました。