銀座の名鮨店「青空」の出身職人が作る、昆布締めや西京焼きのフィッシュバーガー専門店

2016年オープン、中目黒駅から8分程。銀座の名店「青空」出身の店主が作り出す和風出汁のフィッシュバーガー専門店deli fu cious(デリファシャス)。

シェフは工藤 慎也氏。
銀座の名店「青空」で修行後した後、LAで活躍。
鮨職人としてキャリアは十年以上という、魚を知り尽くした方です。

メニューはもちろん魚中心。
昆布締めや西京焼き、煮穴子等他では見たことがないフィリングのハンバーガーが並びます。
センターとなる魚は毎日市場から仕入れ、種類を固定していません。
質や旬に拘りその日によって使用する魚を変えるのは鮨屋らしさを覗かせます。

スペシャリテは昆布〆フィッシュバーガー。
2日程度かけて昆布締めした白身魚をフライにして、キャベツや沢庵を入れ和風出汁豆腐ソース、蓮根、かいわれを乗せたもの。
あえてタルタルソースを使わず作り上げた和のテイストです。

また、こちらのハンバーガーはなんと言ってもフォトジェニックであるということ。
これは工藤さんがSNSを意識しているから。
野菜やフィッシュが零れる程に乗った大胆なフォルム、カラー幅も広く思わず撮りたくなる魅力があります。

店名のdeli fu ciousはめちゃくちゃ美味しいを意味するdeliciousとfuckingの造語。
サブタイトルは「すし職人が作るフィッシュバーガー専門店」。
鮨屋であったことを全面に打ち出し、世界進出を視野に積極的に勝負しています。

青空の鮨職人、昆布締めのハンバーガー、フォトジェニックとキャッチーなコンディションを揃えているのでメディアが放っておく訳ありません。
連日の様に雑誌やテレビ等で拝見することが多く以前から気になっていました当店。

今回は平日の17:30頃初訪問しました。

場所は山手通りを池尻大橋方面へ進み左手に曲がった所にあり、少し歩きはしますが近くには居酒屋やバー等が点在していて、中にはフレッシュネスバーガーの姿もあります。

お店の外観は元は小料理屋さんでしたが、その面影はなくすっきりとしていました。

オーダーはお店内ではなく外の小窓越しに行い、イートインの場合は注文後店内に入ります。

スタッフはトレンドに乗った若い方々で全員男性。
落ち着いた年齢層のお客様だと少し驚いてしまうかもしれませんが、皆さん感じ良くて丁寧です。

お魚をセンターとしているハンバーガーは、昆布〆フィッシュバーガーと西京焼きの最強バーガーの2種。
この日のお魚は両方共目鯛とのこと。

スペシャリテにしようかなと思っていましたが、西京焼きをハンバーガーするかつてないアプローチとマイレビュアー様が美味しいと仰っていたなと思いこちらを選択。
300円で自家製コールスローサラダつけられるので追加しました。

ドリンクがまた個性的。
コロナやラムネに始まり、栃木レモン牛乳や栃木コーヒー牛乳、季節によっては栃木イチゴ牛乳、栃木ぶどう牛乳までレアな栃木シリーズのラインナップ。
一瞬合うのかな？と思いましたが、お店側は自信があるようなので栃木レモン牛乳をお願いしました。

注文後焼くので木版を渡され店内へ。

壁一面のタイルからすぐわかる内装のコンセプトは「銭湯」。

入って右がオープンキッチンで、奥に進むと麻の葉文様の壁が特徴的なイートインスペースとなります。
キッチンの壁には神棚、イートインスペースの真ん中には大きな盆栽、照明は懐かしい吊下型ラインライトどこを見ても和です。
ですが、店主はLAカルチャーがお好きなのでちょっとしたインテリアやBGMはアメリカン。
カウンターと椅子は少し簡易的、昔の鮨屋をイメージしてのことなのかもしれません。

スタッフは仲間としての想いが強い方々でとても楽しそうに調理されていて、その中心に工藤さんがいらっしゃいました。

10分弱でスタッフの方が持ってきてくださいました。

西京焼きの最強バーガー＋自家製無添加ドレッシングのコールスローサラダ、栃木レモン牛乳

背が高いハンバーガーでかなりのインパクト
バンズの焼印ロゴが可愛いです

バンズはなかはらがプロデュースする​ヘンリーズバーガーと同じ馬場FLATのもの
これをオーダー後炭焼きにしているため、焼き色がついています

主な構成は下層からキャベツの千切りを炒めたもの、牛蒡、目鯛西京焼き、人参、ペッパーが入ったチーズソースがかけられ、その上にトマト、ピクルス、玉ねぎ

野菜がたくさん入っていて、西京焼きも大きいので持つとずっしり

いただくと、バンズはふかふかフィリングのお味は全体的にしっかりめです
然程温かくはありませんが、もちろん冷たくはありません

牛蒡のカットが大きいので風味的にも目立ち和を演出

目鯛西京焼きは厚め、甘みがあり芳ばしく仕上がっていて焼きは美味しいです

ピクルスの良い香りもありソフトなお味かと思えばチーズソースがピリッと引き締め、ヘビーになり過ぎない様にキャベツのライトにしていました

チーズソースは上手く交わっていますが、単体でいただくとコクがあり濃さがあります

要素は色々と散りばめられていますが、個々が逸脱せずバランスが取れていました
原材料や手法様々感じながらいただくとなかなか楽しいハンバーガー

起伏があり鮮明なお味なのでもちろん難解という訳でもありません

こういう奥深さがあるハンバーガーは初めてで、興味深くいただけました

奥にこんもり見えるのが自家製無添加ドレッシングのコールスローサラダ
これで1人用です

こちらはハンバーガーと比べるとお味は薄めになっていました

テイストは和風
ライトな醤油、にんにくも少し入っているのでしょうか
他ではないお味でなかなか良いです

サラダ手前に置かれているのは鮨屋を彷彿とさせるガリでした

合わせるのは栃木レモン牛乳でしたが、意外に好相性
ハンバーガーのお味がしっかりしているので、レモンの香りの甘い牛乳が合っていて纏まり良くお食事を終えられました

お値段は1500円程とお安くはないですが、新しいお味を体験できて良かったです。
お店を出る時はスタッフの方がドアまでお見送りに来てくださって、ハンバーガーのことをちょっとお聞きできればよかったと後悔。
それだけ感じの良い方々です。
新メニュー開発にも意欲的でこれからどんな新しいメニューが出るか楽しみな和のハンバーガー専門店でした。