夏限定、モダン和カフェの手動式かき氷は抹茶の爽快感が効いた大人のお味

2009年オープン、銀座一丁目駅からすぐ。中央通り沿いのポーラ銀座ビルにある日本の伝統を現代のティーサロンとして表現した和菓子処HIGASHIYA GINZA。

最上階にはフレンチの銀座 シェ・トモが入るビルで美白系化粧品を扱うポーラらしい白く清潔感がある外観、当店はその2Fにあります。

｢現代における日本の文化創造」のコンセプトの下に「八雲茶寮」等の人気店を運営する代表者はデザイナーの緒方慎一郎氏。
業界では有名な方で、デザイナーが飲食業界で安定した経営を保ち成功している珍しい例にあたるかもしれません。
よってどの店舗もデザイン性に突出していて、和ばかりを強調しないモダンなディスプレイ、世界観、器など全てで世界観を造り上げているので是非ディテールまで目を配らせたいところです。

今回は毎年好評のかき氷が6/21～始まったとのことで平日の19時頃初訪問してきました。

エレベーターで2階に上がると迎えるのは大きな白い暖簾、くぐったその先には季節を彩る甘夏の道明寺羹等の御進物にもなる和菓子が並んでいて、更に奥に進むとカフェエリアになっていました。

今回はお席に空きがありましたが、休日になると予約で満席になっていて入店できないことがありましたので平日以外は予約がおすすめです。

お席はテーブルとカウンターがあり総40席程あり席間隔もありゆったりしています。
店内は窓と反対側なので窓席はなく光量は控えめ、ウォールナットカラーのファーニチャーに垂れ壁には日本画が飾られていて中心には大型の茶釜が置かれ、和であることを強く印象付けます。

スタッフは男性と女性が半々、お店の雰囲気に合わせどちらかと言えば物静か接客。
質問をすれば丁寧に答えて下さり、細かい所にもお気遣いをして下さる感じの良い方々でした。

お客様はマダム層が多く、若いお客様もいらっしゃいますが皆様落ち着いた方々ばかり。
騒がしくないので良い気分転換にもなる空間です。

メニューは季節のお茶やハーブ＆フルーツブレンド茶等のお茶が並び、アルコールは自家製酒で紫蘇や山椒、ほうじ茶等珍しいものもあり。
あてとなるお皿も単品でオーダーできますし、二十四節気に因んだ節気膳という和食のコースがあり、夕方まででしたら人気のアフタヌーンティーもオーダーできます。

いただきたかったかき氷は、抹茶金時と梅蜜・水無月の2種類がありました。
水無月というと、小豆の乗った和菓子を想像しますがこちらの意味はその基となった氷を示しているそう。

それぞれお茶のセットメニューもあり、お茶は季節の番茶か煎茶の2択になります。

今回はかき氷を抹茶金時に、季節の番茶でみまさか番茶にしました。

◆みまさか番茶

お茶はなんとかんすけで運ばれてきました
銅のチロリには3杯強入っていて、量もたっぷり

アルコールランプで常に熱し続けるので最後まで熱い状態でいただけます

芳ばしくほっとするお味で、柔らかで癖の無い飲みやすい番茶でした

◆抹茶金時

お茶でも驚きましたが、更に驚いたのがこちらのかき氷は手動型
立派なかき氷機をカウンターで男性スタッフが手で回して削って下さっていて、夏場はかなりの重労働になりそうです

運ばれてきたかき氷は想像していたよりも大きく、ですが器も素敵なのでセンスがあって思わず微笑む上品さ
写真で見ると不安定そうにも見えるのですが、よく零す私でも崩れることなく最後までいただけました

構成は内部に小豆が何層かに分かれ入っていて、白玉、他は別添えで練乳がついてきました

氷は縦に長いフォルムで、特段ふわふわまではいきませんがシャリ感は少なく綺麗なお味です

抹茶の部分をいただくと甘くありません
粉抹茶ベースの爽快感と香りがあり、軽い苦みがあります
粒餡、練乳で甘みを調節しますが全てかけても強すぎることはありませんでした
粒餡は氷で冷たくなってもふっくらとした食感が残っていて、瑞々しく品のある甘み
練乳はとろみがあり、氷に絡み小豆とも高相性

白玉は大きくもっちりしています

抹茶かき氷の小豆ですと抹茶が甘いとこってりしてしまいますが、こちらのかき氷は抹茶に糖度がないので小豆が生きています
逆に小豆がないと物足りなくなりそうなので、バランスの良さも感じました

喉が渇いていても、潤す程度の甘みの大人のかき氷
お値段は単品で1200円程するので、場所代かな？とも思っていましたが手動で尚且つこのクオリティなら納得です

久しぶりに洗練された風味のかき氷をいただけました

7月からは甘夏風味のかき氷も始められるそう。
少し不揃いな所も味がある手動式、甘みを控えた本格抹茶の大人のかき氷をデザイン性豊かな店内でいただけるHIGASHIYA GINZAでした。