ふわふわソフトクリームが美味。隣接工場の出来立てが日替わりでCP良く楽しめます

1955年オープン、神谷町3番出口から2分程。敷地内工場で作られたアイスがいただけるSOWA。

年代的に言うと東京タワーが竣工する3年前に開業したということですから、歴史を感じさせます。
創業当時は銀座や六本木、赤坂などのホテルや結婚式場とお取引があり、魔法瓶にアイスを詰めてドライアイスで冷やして提供してました。
現在の販売は店舗のみとなり、当時とほぼ変わらない姿の工場で製造し隣の店舗で直営として販売しています。

代表は早川恵子氏でお父様が初代となり現在2代目、接客にも出られている優雅な雰囲気のあるマダムです。

メニューはソフトクリーム、アイス、シャーベットの3種類で個々にフレーバーを展開していて、特に評判が高いのがソフトクリーム。
毎日日替わりフレーバーソフトを提供するのが特徴、日々SNSで告知されます。

支店は他に自由ヶ丘があり日替わりフレーバーは同一ではありません。

平日の15時頃限定フレーバーが気になり初訪問。

場所は桜田通りを1本入った所にある、目印は大きなソフトクリームが描かれたブルーのパステルカラー曲線看板。
ガラス張りで離れた所からも店内が確認でき、全体的にシンプルかつノスタルジーな雰囲気があります。

店内に入ると目の前がアイスショーケース、30種類位のアイスとシャーベットがずらりと並びます。
シーズナルメニューはストロベリーランド（あまおうをクラッシュしたものにソフトクリームを混ぜ合わせたもの）、グラス オ カフェ（アッフォガート）、モンブラン、モンブランワッフル。
ソフトクリームは通年のバニラ、日替わりは紅茶。
右側のガラスフリーザーにはショーケースにあったフレーバーを1カップずつに詰めたテイクアウト用を販売していました。

お席は店内にカウンター3席、外にベンチ席が有。
オフシーズンですがお客様はコンスタントに来店されます。
店舗で召し上がる方は少なかったのですが、オンシーズンは混雑が予想される来店者数でした。

ショーケースのアイスたちは自然なカラーでどれも魅力的、実際30種類位を目の前にすると迷います。
驚いたのはまずお値段、どれも150～180円程。
お聞きするとどれもワンスクープは小さめということですがどれも控えめなお値段です。

コーンとカップがあり、カップはシングル、ダブル、トリプル。
ソフトとアイス、シャーベットで構成することもできるので合わせ方は自由です。

アイスはダブル以上にすると相性があり、間違った組み合わせをしてしまうと風味を損ねてしまうもの。
大体どの店舗でもあるのですが、マダムにお聞きするとどれも合うとのこと。
それはこちらのアイスが「食後のデザートとしてアイスを作り始めているので、あっさりしている一方でリッチな口溶け」だからだそう。

ソフトクリーム、アイス、シャーベットそれぞれの特色を体験したかったので、トリプルでバニラアイスクリーム、マスカットルージュシャーベット、ソフトクリーム<紅茶>を選択。
お値段は500円弱でした。

◆ソフトクリーム<紅茶>

ふわふわの口当たりで広がる様に綺麗に溶け、ざらりとした感触は全くありません
ミルクたっぷりのお味にふんわり香る紅茶
紅茶テイストは前に出過ぎず隠れすぎずミルクと上手く合わさり理想的
感覚的にはミルクベースに紅茶がのった感じです

紅茶フレーバーはバランスが良いのが中々なく、甘過ぎたりぼそっとしてしまったり難しいもの
こちらのは嫌味なくすんなりと入ってくる自然さがあります

全てはバニラソフトの完成度の高さにあるようで、綺麗なので合いやすいのもかもしれません

シルキーな舌触りはとても良く、お店がおっしゃる通りリッチな口溶け
リッチなお味のソフトクリームはよくありますが、口溶けに焦点を当てたリッチさはあまりありません
かと言って薄い訳ではもちろんなく引きが良いミルク風味溢れる優しく温かみのあるお味
後には柔らかに紅茶の香りが漂いました

◆マスカットルージュシャーベット

その名の通り赤みがさしたマスカット

スプーンを入れるとほろっと崩れる、シャリシャリ感は少ない繊細な口当たり
香りは強めですがお味はそれほどではありません

よって浮くことはなく紅茶ソフトと溶け合ってもバランスは崩れません
甘みはあっさり、儚さもあるシャーベット

◆バニラアイスクリーム

ねっとりとした口当たりに卵とバニラエッセンスの香り

スタンダードだけあってこの中ではお味は濃いめ
ですが最近の濃厚系の重さ程はなくどこか懐かしくほんわかする甘みのあるバニラ

私的なおすすめはソフトクリーム、口当たりとベースのミルクがフレッシュなのでどの日替わりフレーバーも期待できそう。

どれも角がなく食べやすく合わせやすく、ちょっといただくなら丁度いい量。

また、印象に残ったのはソフトクリームとアイスクリームの境界線がくっきりしていたこと。
最近はリッチ路線で個々の違いが曖昧でハイブリットもでてきた分、原点の違いを明確に打ち出しているお店が少なくなりました。
こちらのものはソフト、アイス、シャーベットとはっきりした棲み分けができています。
懐かしいのにどこか再発見させてくれるそんなアイス専門店でした。